Triangle【名前固定オリジナル】

〜涙を流す少女は夢のような世界に戸惑う〜 ページ11

一通り、自己紹介なるものが終わり休憩することになった。

「......そういえば涙ちゃんっていつもぬいぐるみ持ってるけどそれって買ってもらったの？」
「......あ、これは全部、自分で、作ってて」
「え、作ったの⁉」
「あ......はい。......ずっと学校行ってなくて、その間に......」

麻由ちゃんは、他の人とは違って何故か普通に話せる。
麻由ちゃんがお姉ちゃんに似ているからだろうか。
優しくて、話し方が下手でもしっかり聞いてくれて。
それで、明るい。

私もそういう性格の人になりたかったな......
なんて夢のまた夢のことを考えてしまう。

でも、あまり人と関わりたくないと思っているのも事実だ。
自分の言っていることが矛盾しすぎて頭がおかしくなりそうになる。

「......じゃあ、そろそろ始めよっか！」

麻由ちゃんの声で蒼士さんがどこかへ行った。
準備物か何かを取りに行ったのだろうか。

横を見るとスマホをいじってばっかの丞君も何をするのか聞かされてないのか、驚いた表情をしていた。
今から何をするんだろう。

「あ、蒼士戻ってきたね！じゃあ始めようか！まず、涙ちゃんと丞君はどんな魔法が使えるのかわかんないんだよね？」

......え、魔法？

「......あぁ、二人ともまだ来たばっかで分かんないか。まずこの世界は2人がいた世界じゃない。分かってると思うけどね！」

一応そこまでは把握していたけど......
実際そうだと聞くと不思議な気持ちになる。

「で、魔法にもいろんな属性とか種類とかがあるんだよね〜」
私は動物の身体的技能？ってやつが使えるようになるんだ〜
と楽しそうに言っている。
凄いなぁ......私はどんな魔法が使えるんだろう。

3話 〜少女に執着する少年は愛に飢える〜→←〜涙を流す少女は猫を被る少年と出会う〜

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