君だけに歌うよ vol.7 〜SJ Yesung〜

後悔 -ﾘｮｳｸside- ページ7

「嘘!!!絶対嘘だよ…っ!!!」

　
僕は叫んでいた。

だっておかしいよ。

ヒョンはあんなにもAを愛してたじゃないか…



　
あの日、僕がヒョンを止めていれば…
こんなことにならなかったのかな。


両側をウネヒョンに支えられて部屋に戻ると
布団に深く潜って、僕は泣き続けた。


　
【後悔】

　
その二文字が僕を縛っていた。



いつの間に眠ってたんだろう…
ドアが開く音で目が覚める。

　
「ヒョン…？」

　
微かな足音は、ヒョンのものだ。
時折擦るように歩く…独特の歩き方。


　
鏡を見ると見事に腫れ上がった目。

(…酷い顔。)


でも、僕の心は仕事どころじゃなくて
リビングにいるであろうヒョンに向いていた。


　
…ソン…に…ついて…事…が否…し……


　
リビングにヒョンの背中を見つけた。

音量を下げたテレビを熱心に見つめてる。
何かを堪えるように、口元を押さえて。


　
TV「イェソン氏の熱愛報道は、事務所が強く否定しています。」

　
画面には、あの写真とヒョンの名前がたくさん映っていて

　
TV「この写真はどうなんでしょうか、合成ということですが。」

　
ねぇヒョン、どうしてそんなに震えているの？

　
TV「二人はデュエット曲をリリースしてますし、真相は分かりませんね。」


　
ヒョンは嘘をついてるんだって…

僕はこの時確信した。


　

「ヒョン……。」

　
振り向いたヒョンは僕を見つめると、
苦痛に耐えるようなその表情を隠すように、少しだけ俯いた。

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