32 ページ32
あまりに赤裸々に話してしまったせいか、
彼は神妙な面持ちで
ほら、やっぱりこんな話面白くないって……！！！
「あの、ごめ……」
言いかけた言葉を遮って、
鳴り響く着信音。
こんな時間に電話なんて
嫌な予感しかしない！！！
急ぎの仕事とか、
データの修正とかだったら落ち込む……
ディスプレイが表示した名前に
案の定がっくりと肩を落とした。
「ごめんなさい、ちょっと出ますね。」
席を外して通話ボタンを押す。
気が重いけど、
こればかりは仕方ない。
「はい、もしもし。」
「あ、Aさん！？良かったー出てくれて。」
受話器から聞こえる声は
例のイケメン専務。
「月曜日アップのデータ、急遽明日の朝に必要になってしまって。」
あぁ、あのデータね。
あれなら大丈夫。
「ほぼ出来上がってるので、明日の朝までに送ります。」
「そうなんですが、実は今朝からメールの調子が悪くて。」
ーーーな、なんかものすごく嫌な予感！！！！！
「今から伺うので、USBかディスクに入れて貰えませんか？」
う、嘘でしょおおおお…………泣。
予想を遥かに上回るアクシデントに
脳内はスクランブル状態。
視界がぼやけてくる気さえするわ。
「あ、どこかで待ち合わせでも良いんだけど、ほらこんな時間だから。」
時計の針は22時を回っている。
今から急いで仕上げても、23時は過ぎる。。。
あぁ、もう、こんなことって！！！
「分かりました、急いで仕上げます。申し訳ありませんが、駅から西へ向かって1つ目のコンビニまで来て頂けますか？」
「助かりました！ありがとうございます！」
仕方ない。
仕事だと思って、
割り切るしかないとは分かっているけど。
「大丈夫だった？」
ソファに座ったまま、
彼が私に視線を寄越す。
ーーー後ろ髪を引かれる。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 87人がお気に入り
お気に入り作者に追加
「オリジナル」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
揺葉(プロフ) - 万葉さん» コメントありがとうございます。言葉の選び方や使い方などは、意識してこだわっている部分でもあるので、その部分を好きだと言って頂けることが本当に嬉しいです！今後も少しずつ展開していきますが、引き続き心地よく読んでいただけるよう頑張ります☆ (2018年3月12日 15時) (
レス) id: 747900e447 (このIDを非表示/違反報告)
万葉 - 揺葉さんの書く言葉の使い方がとても好きです。久しぶりに綺麗言葉を使う人だなぁ〜ああ心地良いと読んでて何度も思います。次の更新も楽しみにしています！ (2018年3月11日 0時) (レス) id: 9a1e11c3b6 (このIDを非表示/違反報告)
揺葉(プロフ) - かめさん» とても嬉しいコメント、ありがとうございました！本当に本当に励みになります☆ゆっくりめの更新、ゆっくりめの展開ですが、今後も楽しみにして頂けたら嬉しいです♪頑張ります^＿^☆ (2018年3月3日 17時) (レス) id: 747900e447 (このIDを非表示/違反報告)
かめ - すごく！すごく大好きです！！最高すぎます！お世辞なしで大好きです！これからも更新頑張ってください！！！応援してます！！！！ (2018年2月28日 21時) (レス) id: dcf7eb856a (このIDを非表示/違反報告)
揺葉(プロフ) - Tmnさん» 初めまして、嬉しいお言葉ありがとうございます♪この続きもまたドキドキ＆楽しんで読んでいただけるように、頑張ります！ (2018年2月19日 7時) (レス) id: 747900e447 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：揺葉 | 作成日時：2018年2月6日 13時
