何でもありのゆる～い短編集【実況者】 (ページ7)

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ファーストキスは、甘々で。[キヨ] ページ7

【蒼*留】

Aside

『ねぇーキーヨー』

Aです。

今日は彼氏であるキヨの家に来ています。

めちゃめちゃ楽しみ…だったんだけど…

『ねぇーねぇー』

「まって、あとちょっと。」

…さっきからずっとこんな感じ。

キヨはずっとパソコンに向かってて、全然構ってくれない。

『はぁ…』

小さくため息をついた私は、キッチンへ行くことにした。

ーカチャ

食器がこすれる音が、静かに響く。

『少しでも、早く終わりますように…！』

小さな声で呟きながら、コップにココアをいれた。

キヨはコーヒー無理だからね。

『キヨー？』

私はココアをいれたコップを置いたお盆を持って、キヨのもとへ戻った。

「んー？」

相変わらず顔はパソコンに向いているが、返事をしてくれた。

よかった…忘れられてない。←

『これ、ココアいれたから。早く終わらしてねー』

笑顔で、コップを机に置いた。

…返事がない。←

どうしよ…迷惑だったかなぁ…？

『うぅ…』

このまま終わっても構ってくれなかったらどうしよう…！！

「…A。」

『…え？』

彼は、私を呼んだ。

しかし、とけない緊張が、その場を張り詰めたような空気にさせる。

なに、言われるんだろ…

『…っん？！』

そのとき、甘い香りを感じた。

チョコレートの、甘い味がする。

ー私はキヨに、キス…された。

『…っ…？！？！』

「すぐ終わらすから。終わったら…覚悟しとけよ？」

彼はイタズラっぽく笑った。

『は、はぁ…？！』

キヨはまたクスリと笑って、私の頭を撫でた。

『…意味…わかんない…』

私の頬は、熱くなるばかり。

『ファーストだったのに…！！』

ー私のファーストキスは、とても甘々で。

あのあと無事終わらしたキヨは、まるで狼のようでした。