あたたかい牛乳を一杯Ⅱ (ページ36)

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顔が離れて目が合えば、ゆるやかに微笑まれる。

息があがっている私と、余裕そうな表情のジョンハン。

私が呼吸を整えていると、彼はソファから立ち上がり

「A、立てる？」

と、私に手を差し伸べてきた。

目の前に差し出された手を何の迷いもなしに取ると、そのままぐいっと引っ張られて

なぜかお姫様抱っこをされた。

ちょっと待ってほしい。どういう状況？

さっきまで溢れていた涙は、いつの間にか止まっていて。

若干混乱しながらも、ジョンハンって意外と力あるんだな、なんて。

頭の片隅でそんな呑気なことを考えた。

『…えっと、ジョンハン…？』

おろされたのは、シングルベッドの上で。

そんな私の上にはジョンハンが跨っていて。

私があまりにも彼の目を見つめるからか、「目瞑って」と声が降ってきた。

言われた通り目をぎゅっと瞑ると、唇に柔らかい感触が。

触れるだけの、優しいキスをされた。

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