私をなぐさめて ページ34
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『…ありがとう』
その後一緒に帰ったのは、ジョンハンの家で。
目の前にコトンと置かれたマグカップ。
それは確か、この前も飲んだ“あたたかい牛乳”で。
湯気がゆらゆらと揺れている。
それをひと口飲めば、じんわりと身体が温まる。
ジョンハンはなにも聞かないでいてくれるけど、話さないわけにはいかない。
ちらりと彼の顔を覗き見れば、私を見てゆるりと笑っていた。
『…ジョンハン』
「ん？」
『…今日あったこと、話してもいいでしょうか』
「うん。なんでも聞くよ」
同じソファに並んで座る私たち。
ジョンハンがちょっとだけ、私の方に寄ってきた。
上手く、話せるだろうか。
『あのね…私、失恋、した』
思い出すと、また泣けてくる。
ああ、嫌だ、泣きたくない。どれだけ泣くんだ、ジョンハンの前で。
もうすでに引かれてると思うけど、これ以上引かれるのは避けたくて。
どうにか堪えようとしたんだけど
「我慢しないの、A」
ジョンハンのその言葉で、結局また泣いてしまった。
泣きながら、なんとか話を続けた。
ジョンハンはたまに相槌を打ちながら、静かに私の話を聞いてくれていた。
『…あのね、私、彼女がいるの知っても、好きで…』
「うん」
『ばいばいした時、好きって言わなきゃよかったって…このまま関係続ければよかったって……後悔して…っ、でもそれ…だめなことで…』
「うん」
『……苦しい、っ、…こんな自分、嫌で…っ、でもまだ好きで…っ…』
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作者名：るり | 作成日時：2022年2月22日 14時
