あたたかい牛乳を一杯Ⅱ (ページ25)

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手を繋いでページ25

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「A、気を付けて帰りなよ〜？」

『ありがとユア。また明日』

本日最後の授業を終えた。

ユアと別れて、大学の裏門へ向かう。

ひとりになった途端、急に足取りが重くなった。

行き慣れた道のはずなのに、知らない道を歩いているような、そんな感覚がした。

『…はあ、』

自然と溜息が漏れる。

今まででいちばん、あの家に着くまでに時間がかかった。

そういえば今日は七夕で。

毎年天気が悪かったのに、今日は晴れていた。

夜は星がよく見えそうな、そんな日だった。

だけど震える指先、冷たい手のひら。

心臓の音がどんどん大きくなる。

「A、おつかれ」

『ソジュン…』

がちゃりと開いた扉の向こうに、金色が揺れた。

初めて彼の家に来た時と同じくらいの緊張が襲う。

でもあの時とは、違う緊張。

「Aから会える？って聞いてくるの、珍しいね」

『そう、だね』

「俺は嬉しいけど」

廊下を歩く間、上手く喋れているのかもわからない。

私の座る分のスペースを空けて、彼が先にソファに座った。

だけど私は座らずに、ソジュンの目の前に立つ。

彼を見下ろしているのが、なんだか不思議だ。

「…A？どうしたの？」

『ねえ、ソジュン、』

「うん？」

『手、繋いでほしい』

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