仲良し ページ15
.
「A何か飲む〜？」
『えっと、りんごジュース！』
「じゃあ俺もAと同じのお願い」
「はいはーい」
『ありがとユア〜』
今日はサークルの飲み会。
月1くらいで開催されるこの飲み会は、大学のすぐ近くの個室居酒屋で、いつもここって決まってる。
もちろん、未成年はソフトドリンクしか飲めないんだけど。
「あんたたち、最近なんかあった？」
『…え？』
飲み物のおかわりを注文してくれていたユアが、向かい側の私とジョンハンを交互に見てそんなことを言う。
なんかあった…ように見えるのか。
「そう、最近仲良しなの」
隣に座るジョンハンが私の代わりに答える。
そう、そもそもこの状況がもう以前と違うのだ。
いつも飲み会で、私とジョンハンが隣に座ることなんてほとんどなかった。
大体私はユアの隣だったし、ジョンハンはシュアか先輩たちと座ってた。
なのに今日、彼はなぜか私の隣に座ってる。シュアはいつもみたいに他の先輩たちと同じテーブルで飲んでいるのに。
「ふーん、それは良いことだねえ」
グラスに残ったレモンサワーを一気に飲み干して、ユアは面白そうにそう言った。
私と違って4月にハタチを迎えた彼女は、とっくに合法的にお酒を飲める。
もう私より大人なのだ。
いいなあ、羨ましい。
「おまたせしました〜」
さっきユアが頼んでくれたりんごジュースがふたつとレモンスカッシュがひとつ、テーブルに運ばれてきた。
りんごジュースは私とジョンハンので。
「あ、それ私です」
私が手にしたレモンスカッシュを指差してそう言ったのは、私の左隣に座る1年生。
「あ、イェリちゃん。どうぞ〜」
「ありがとうございまーす！」
チョン・イェリちゃんは、ザ・女の子って感じの見た目の子で。
黒い透けたレースのトップスがよく似合っていた。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 943人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：るり | 作成日時：2022年2月22日 14時
