カタオモイ 【 すとぷり 】【 続 】

♯54 ページ8

…







分かっていない人が多いと思うから今までのことを説明すると、つまりこういうことだ。





さとみ先輩が「後輩に呼ばれてたから」って部屋を出ていったと思うんだけど、

そのさとみ先輩を呼んだ後輩がきっと未羽で。






未羽がさとみ先輩に想いを伝えるも届かず、部屋に戻ろうとエレベーターに乗ろうとした時に、






たまたま１階に来ていた私と鉢合わせしたわけですよ。







さとみ先輩が私に好意を寄せていることをきっと未羽は知っていて、

私がころんくんを好きだと言っているのに
さとみ先輩とよく話してたりしたから

未羽はそういう面に対してモヤモヤする部分があったのかもしれない。







だから鉢合わせした時に未羽は、自分を笑いに来たのか、って思ったのかな。









以上、ここまでは私の勝手な想像だけど大体合ってるんじゃないかと思う。









…うう。









『 告白…されてたんですよね、未羽に 』


「 あーー、わかった？ 」








そうだよ、と困ったように頷くさとみ先輩。
やっぱり間違ってなかった。








『 未羽って…いつもはしっかりしてて頼れる友達なんですけど、好きなこととなると周りのことが見えなくなっちゃうことがあって…

それなのに私がさとみ先輩と呑気に話してたりすることも多かったから、

未羽を不安にさせちゃったと思うんですよね… 』








そう、もっと未羽の気持ちを考えるべきだった。





いつも自分ばっかりになっちゃうの悪い癖だよなあ。







さとみ先輩にも未羽にも嫌な気持ちにさせてばっかりだし。








「 Aは優しいよな 」



『 …？ 』



「 お前は人の気持ち考えてばっかりなんだよ…ずっと前から 」









私がその言葉にきょとんとすると、さとみ先輩が苦笑する。



私的には自分ばっかりになってる気がするんだけどなあ。









…

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