♯51 ページ5
…
(S side)
『 はあ、俺なにやって… 』
俺は休憩スペースに座り込みため息をついた。
…自分が何をしたいのか分からない。
「 さとみくん…? 」
「 さとちゃん… 」
そこにはあ、はあ…と息を切らして走ってきたころんとなーくんが現れた。
「 さとみくんごめん… 」
『 え? 』
「 俺、結構周りのメンバーのこと見てるつもりだったけど全然見れてなかった、苦しかったよね… 」
なーくんが俺の前に出てきて頭を下げる。
ころんは気まずそうな顔をして俺となーくんを見ていた。
『 …いやいや、なーくんは周りの事見すぎてるから 』
いつも他人中心で動けるなーくんはすごい、そんな事出来るやつなんてそうそう居ない。
『 んーとさ、俺、心のどこかでころんの気持ち分かってたんだと思う 』
俺は自分の心の内を話し始めた。
俺が違う?と問い掛けるところんが苦しそうな顔をする。
『 なのに俺最低だよなあ…ごめん』
なーくんと同じようにころんに向かって頭を下げると、
え、ちょっと…と焦った声が降ってくる。
「 …なんていうか、僕も自分の気持ちよく分かってないんだよね 」
恥ずかしい話だけど、ところんが付け加えて笑った。
「 宮坂さんと付き合ってる自分もわかんないし、自分が何をしたいのかもわかんなくなってきて… 」
「 正直、Aはさとみくんと結ばれた方が幸せだと思う。僕より大人だし、かっこいいし、Aもさとみくんのこと好きそうじゃん…? 」
だからさとみくんは気にしないで、と寂しそうに笑った。
…は?
いやいや。
…え?
あ、そうだった。
ころんとAってびっくりするくらい鈍感なんだわ。
「 え?なにさとみくんその顔… 」
きょとんとした俺の顔を見てころんが不思議そうな顔をした。
同じくきょとんとしていたなーくんと顔を見合わせて吹き出す俺たち。
「 ちょ、何笑ってんの?え?僕変なこと言った? 」
慌てふためいているころん。
多分この場にAが居たら可愛い…って静かに眺めてるんだと思う。知らんけど。
「 いや、ころちゃん分かってはいたけど鈍感だね… 」
『 ほんとに俺の気持ち分かってんの? 』
なーくんと俺の言葉に
ええ?と混乱しているころん。
俺たちは2人で笑い続ける。
…
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羊飴。 - 初めて読んだのですが、感動して涙が出てしまいました。良い青春ですね。 (2021年1月6日 11時) (レス) id: d5ddecbe17 (このIDを非表示/違反報告)
ゆる(プロフ) - みささん» 2周目も読んでくださったなんて、、嬉しすぎます( ; ; )ありがとうございます!!ですよね、私も楽しそうだなあ、、って思いながら書いてました、、青春したい(( (2021年1月4日 14時) (レス) id: 4fed831af4 (このIDを非表示/違反報告)
みさ(プロフ) - んん、2周目して終わったけどやっぱり素敵なお話、、! その後のお話もとてもとても楽しそうで、私も青春したいなぁ、なんて笑 また見に来ますね〜!! (2020年12月25日 20時) (レス) id: d171ceba74 (このIDを非表示/違反報告)
ゆる(プロフ) - チョコさん» わーー、嬉しすぎます、ありがとうございます!! 思っていたより2人ともだいぶ鈍感になっちゃってて、長くなりました、、笑 本当にありがとうございます(;_;) (2020年12月24日 19時) (レス) id: 4fed831af4 (このIDを非表示/違反報告)
ゆる(プロフ) - ( ・∇・)バナナさん» えー、もう嬉しすぎて言葉が出ません、、( ; ; )ありがとうございます!!学生時代のキラキラした青春?が書きたかったので!笑 受験もがんばります!! (2020年12月24日 19時) (レス) id: 4fed831af4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆる x他1人 | 作成日時:2020年5月11日 10時