♯50 ページ4
…
「 んー、ごめん、ちょっと俺後輩に呼ばれてたんだった 」
「 ええ?あ、うん 」
「 …いってらっしゃいー 」
さとみ先輩が皆の質問には答えずにそのまま部屋の外へと出ていった。
私は未だに固まっている。
きっとメンバーの皆は頭の中で整理がついてきているはずだ。
「 A大丈夫…? 」
「 A…先輩? 」
棒のように突っ立っている私を見て心配そうに声をかけてくれた。
皆何も聞かずにいてくれるのかな、でもそれはそれで違う気もするよね…うう。
頭の中がぐちゃぐちゃとまとまらない。
「 んー、ごめんちょっと僕さとみくんのとこ行ってくるわ 」
すると、ころんくんが私をちらりと見てから優しく微笑み、そう言って外に出ていってしまった。
「 心配だし俺も行ってくる…ジェルくんたちはAのこと見てあげてね? 」
なーくん先輩がそう言い残してころんくんを追いかけて行った。
え、ああ、さとみ先輩大丈夫かな…
ちらりとリビングを見るとまだ唖然とした表情のジェル先輩、莉犬くん、るぅとくんが居る。
『 んー…なんかごめんなさい 』
「 …いや。Aもいろいろ大変やったんやな?ごめん、気づいてあげられんくて 」
『 いやいや、そんな! 』
ジェル先輩が近づいてきて、申し訳なさそうな表情で私を見る。
むしろジェル先輩は周りを見すぎているから肩の力をもっと抜いてほしい気持ちもあります。
「 先輩も大変ですね…うーん 」
「 難しいですよね… 」
そこにるぅとくんと莉犬くんが近づいてきた。
それぞれ隣に来てくれて私を囲むような形となり、目を合わせてえへへ、と笑い合う。
『 ありがとう、ちょっと落ち着いてきました 』
私がにこりと微笑むと3人がほんとにー?と声を揃える。
こればっかりはほんとですよ。
「 もう、頼りないかもしれないですけど何でも聞くので溜めすぎないでくださいね?! 」
るぅとくんがぷんぷんし始めた。
朝のうちに問いただして聞いておけばよかった…なんてぶつぶつ呟いている。
『 …ぷっ 』
思わず吹き出してしまった。るぅとくんが可愛くて。
すると3人がきょとんとした顔をしてから笑い出す。
「 Aは笑顔が1番やな 」
…ありがとう、ちょっと気持ちが軽くなりました。
…
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羊飴。 - 初めて読んだのですが、感動して涙が出てしまいました。良い青春ですね。 (2021年1月6日 11時) (レス) id: d5ddecbe17 (このIDを非表示/違反報告)
ゆる(プロフ) - みささん» 2周目も読んでくださったなんて、、嬉しすぎます( ; ; )ありがとうございます!!ですよね、私も楽しそうだなあ、、って思いながら書いてました、、青春したい(( (2021年1月4日 14時) (レス) id: 4fed831af4 (このIDを非表示/違反報告)
みさ(プロフ) - んん、2周目して終わったけどやっぱり素敵なお話、、! その後のお話もとてもとても楽しそうで、私も青春したいなぁ、なんて笑 また見に来ますね〜!! (2020年12月25日 20時) (レス) id: d171ceba74 (このIDを非表示/違反報告)
ゆる(プロフ) - チョコさん» わーー、嬉しすぎます、ありがとうございます!! 思っていたより2人ともだいぶ鈍感になっちゃってて、長くなりました、、笑 本当にありがとうございます(;_;) (2020年12月24日 19時) (レス) id: 4fed831af4 (このIDを非表示/違反報告)
ゆる(プロフ) - ( ・∇・)バナナさん» えー、もう嬉しすぎて言葉が出ません、、( ; ; )ありがとうございます!!学生時代のキラキラした青春?が書きたかったので!笑 受験もがんばります!! (2020年12月24日 19時) (レス) id: 4fed831af4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆる x他1人 | 作成日時:2020年5月11日 10時