カタオモイ 【 すとぷり 】【 続 】

♯60 ページ14

…









『 …ううん、私好きな人が居るの 』









私はきっぱりと言って、彼を真っ直ぐに見た。







『 …多分その好きな人とは結ばれない運命なんだろうけど 』







「 …同じ 」


『 え？ 』


「 僕もね、好きな人とは絶対結ばれないって思ってる 」








私がそうなの？と尋ねると、彼がどこか寂しそうな眼差しで私を見た。





…あれ。前言ってた好きな人って、侑那のことじゃ無かったんだっけ。





侑那だとしたら今付き合ってるわけだから、結ばれないって言葉は矛盾してる気がする。








『 なんで…侑那は？ 』








私が単純にその疑問を口にすると、ころんくんは視線を少し下に向けた。








「 なんかね、その好きな子は僕のこと絶対友達だって思ってるし、

その子のこと好きな大事な友達が居て、多分そろそろ付き合うんだと思う… 」



『 ……そ、そうなんだ 』







彼のその表情を見ていられなくて、私は視線を奥に移した。


心臓がぎゅーんって痛む。恋とは違った感じの痛み。多分失恋。





気づいたら はぁ、と吐息を零していた。







私に初めて見せた、
その表情をさせた女の子になりたかったなって。








叶わぬ願いだけど。








『 …でもね、私諦めてないよ 』








今までの私だったらそっかあ、って言ってそのまま流してたんだと思う。






でも今はたくさんの事を経験して、いっぱい悩んで、考えて、ちょっとだけ変わった。







『 悲しくなることだってたくさんあるけど、私は絶対諦められないからいつか告白できたらなあ……なんてね？ 』








えへへ、と笑みを零した。







何度も諦めようと思ったけど、今は違う。








「 そうなの？Aは強いなぁ 」








そんな私を眩しそうに見ながらそう言った。








…そんなことないよ。








私には君が1番眩しく見えるもん。









…

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