閉幕 ページ15
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「明日、早く帰ってくるからね」
「ほんとに?!うれしいな」
昨日彼にそう言われ、久々にゆっくりと出来る時間を楽しみにご飯を作っていると遠くから玄関のドアが閉まる音がした。
「お、ほんとに早かったね。おかえり!」
「ただいま〜。何作ってるの?」
「今日はね〜、ジフンの好きな牛肉焼いてるよ〜」
「ほんとに?ありがとう。着替えてくるね」
「うん?」
どこか顔が暗い彼、体調でも悪いのかな…。
「「いただきます」」
ご飯を食べ始めて美味しいね、ありがとうとは言ってくれる彼だけどやはりどこか元気がなさそうで。
心配になって声をかける。
「どうしたの?今日体調でも悪い?それともなんかあった?」
「んーー、そうじゃないんだけど」
「私なんかした?」
「Aヤ、」
「ん?」
「俺の可愛い花嫁さんになってくる?」
一瞬時が止まったように感じた。
でも彼の瞳と視線が交わった瞬間、また時間が動き出した気がした。
「えっと、それは、、え?」
「しわくちゃになってもずっと一緒にいよう。
死ぬ時にジフンと一緒に人生過ごせてよかったって言わせてみせるから。
だから僕と結婚してください。
……って泣かないでよ、笑」
「だって、だってこんなに嬉しい事ないから…」
「沢山遠回りしちゃったけど、後悔はしてないよ」
「そんなの私もだよ。
ずっと待っててくれてありがとう。
私でよければ結婚してください」
「よかった。緊張した」
少し安心したような表情をした彼に手招きをされ近づくと割れ物を扱うかのように優しく、でも愛してくれていることが伝わってくる暖かさに包まれる。
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yit高梨アヤメ(プロフ) - オリ.フラ立っちゃってますよ〜💦 (9月24日 14時) (レス) id: 945705f77e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:こな | 作成日時:2023年9月22日 23時