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三話 。 ページ4

「澪ちゃん 。」

下校中 、あまり聞き慣れていない声で私の名前を呼ぶ誰か 。

『だ 、誰 … ?』

ばっと後ろを振り返ると 、あの先輩がニコリと笑って立っていた。

『な 、何の用 、ですか … 。』

一歩後ろに下がり 、先輩との距離を取る。

「いやぁ 、たまたま澪ちゃんが居たからさ 、ちょっと声掛けちゃったんだよ 。」

ニコニコの笑顔は崩さず 、そう言いながら一歩 、また一歩と近付いてくる先輩 。

『そ 、そうなんですね … 。』

あはは 、と目を逸らし 、距離も取りつつ返事をする私 。

「澪ちゃん 、お家こっち側なんだぁ 。」

ふとこの時 、疑問に思った 。私 … 先輩に名前教えてたっけ … ?

「十六夜が教えてくれたんだよ 。」

『え … 紗夜が … ?』

その疑問は声に出ていた様で 。先輩にそう聞かされた 。

『紗夜ぉぉ … なんで教えちゃうのぉぉ … 。』

一人小さく唸り 、心のどこかで紗夜を恨んでいた 。

「じゃあ帰ろっか 。」

先輩は早足で私の方にやって来ては私の手を取り 、また歩き出した 。

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作者名:悠瑠。 | 作成日時:2020年1月10日 22時

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