黒と白と先生。 (ページ5)

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黒崎先生はいつか私にこう話しかけてくれたことがあった。

「お前、神谷先生のことが好きなんだっけ？笑」

先生の目が細まった。恋愛漫画でよく出てくるあれ、いつも主人公にちょっかいかけるタイプの
男の子みたいな笑い方する先生だった。

先生らしくない、無邪気なその顔が大好きなんだ。

ーーーーーーそりゃさ。先生がそんな顔するから。

『先生が好きなんだよ。』

その言葉はしまい込んじゃった。

目の前の、(好きな先生の苗字)先生の笑顔を永遠と見てたかったから。

今なにか言ったら、消えてしまうような気がしたから。

先生の自然体のその笑顔が、
……もう二度と見れなくなるほうが、怖かった。

『(好きな先生②の苗字)先生、お前のこと褒めてたぞ！よかったじゃん！！』

『伊原、なに照れてんだよ笑』

私が一番褒められたいのは(好きな先生の苗字)先生にだよ。

廊下ですれ違いざまに呼び止められて、
「頑張ったじゃん」なんて先生に褒められて。
嬉しくて恥ずかしくて、訳わかんなくなって泣いちゃったりして。

そんな事想像するのは(好きな先生の苗字)先生だけ。

なんてきっと、わがままなんだろうね。