0-37 父親 ページ37
ガッと胸ぐらを掴まれる
『…』
「随分、肝の座った女だな。」
『当然よ、シルバーの娘だもの。』
内心、パニックになりながらもバルボッサに来る前に言われたことを思い出す。
“いいか、ピンチになったらお前の父親の名前を出せ。それで駄目だったら諦めろ”
“諦めろｯ?!”
“冗談だ。フハハハハｯｯ…”
あの時の冗談が冗談であることを願います
「シルバー…の娘だと?……証拠は?」
反射的にバッと離れた大男に、
私を驚いたようにみる全員に良く見えるようにネックレスを見せる。
銀色に輝く虎のネックレス。
「確かに、船長の────」
『船長???』
大男がハッとしたように私に跪いた。
それに習うように座って私を睨んでいた男達全員が跪いた。
「我々は、貴方の父親の船員でした。
海賊解散を伝えられながらも、
いつの日か必ずと思いずっとここの酒場で船長の帰りを待ち望んでいたんです。」
『…、』
突然口調の変わった大男のそのセリフに全員が深く頷いていた。
「ここにある宝はすべてシルバー船長の物。
自分勝手に海賊を解散する船長の俺達に対する
謝罪の形です。
だが、船長はそれ以前に世間から捨てられた俺達を助けてくれていた。
こんなもん、要らなかったのに…!!」
「船長はどこですか?俺達はまだあの人に1度もお礼を言ってねぇ。」
『…あ、』
全員が顔を上げて私を見た。
その表情は希望で満ち溢れてて…でも────
『……私の両親はもう…この世にいません。』
みんなが望む答えは、答えられなかった。
全員の顔から血の気が引いていくのがわかった
胸が締め付けられたように痛かった。
「海賊の人生、何が起こるかは誰も何も知らない…」
大男がポツリと呟いた。
『それ…』
知ってる歌の歌詞だった。
「「だから俺たちゃ笑って過ごす。」」
「「いつの日にか迫り来る死の影に負けず」」
『「「愛するものの為に歌うのさ。」」』
父が昔歌ってくれた歌。
「船長に。」
────「「「船長に…。」」」
歌い終わり、全員が酒を掲げ、飲み干した。
そして全員が静かに泣き始めた。
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(お茶・・)ψ(プロフ) - 奈良さん» ありがとうございます!!頑張りますーーー(´；ω；｀) (2018年3月31日 23時) (
レス) id: c7e95f8004 (このIDを非表示/違反報告)
(お茶・・)ψ(プロフ) - 鈴巴さん» ほんとだ!!ありがとうございます!!直してきます!! (2018年3月31日 23時) (レス) id: c7e95f8004 (このIDを非表示/違反報告)
奈良 - とっても面白かったです！これからも頑張ったてくださいね！ (2018年3月31日 16時) (レス) id: ba6498b83e (このIDを非表示/違反報告)
鈴巴 - あの、第30話の海の藻屑の所が海のもずくになってましたよ！ (2018年3月28日 0時) (レス) id: ad3d79f394 (このIDを非表示/違反報告)
(お茶・・)ψ(プロフ) - 夜璃さん» イメ画褒めてもらえるなんて…ありがとうです(;Д;)(;Д;)かっこいいですよね！！！！！←頑張りたいと思います！！！ (2018年1月5日 17時) (レス) id: c7e95f8004 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：(お茶・・)ψ | 作成日時：2017年7月12日 19時
