『俺を見てくれ』雀 ページ31
夜、静かな時間に私が思い出すのは“あの人”の事だった。
私は恋をしていた。
恋する彼に憧れて、追いつくために海賊になったようなものだ。
でも彼は…
『…いつまで引きずるんだ私は……』
彼がいなくなってしまってから2年、未だに彼を思い出しては心が沈んでしまう。
今もそうだ。
そんな気を紛らわせるために私は甲板へと向かった。
あの人、夜になるとギター弾いてたよな、、
あの音が、声が…楽しそうに歌うあの人が…
私は好きだったんだよね…
ボーッと海を眺める、暗い海は静かで 大きくうねっていた。
「よぉ、A。」
『うわッッ!?』
彼を飲み込んだ海を見ていたら突然隣に人が来た、
ジャック・スパロウ…この船の船長だ。
何かと最近、話しかけてくれたりする良い人、あとは…
「今から俺の部屋にでも行────」
『きません。』
とても女好き。
この船に女が少ないというか、海賊だから女が少ないのは当たり前なんだけど…
チャラいんだよなぁ…女の子みつけたらすぐにナンパしに行くし…
あ。でも最近は────
「A?
冷たく断わるのはいつも通りなのにそのあとの説教はないのか?」
『!…それ、怒られたいってことですか?』
私をのぞき込むジャックの顔が近くて驚きながら冗談を冗談で返してやった。
「お前になら俺は────何をされてもいい」
『ッッ!』
予想外だったのは、いつもみたいに
「本当に一筋じゃ行かないな〜」とかなんとか言って諦めないで
私を抱き寄せて耳元で囁かれたことだった。
『や、め────』
「なぁ、A。
────いい加減、俺を見てくれよ。」
まっすぐ私を見る瞳は、
いつものジャックとはどこか違い、
男らしい瞳だった。
その瞳に鼓動が早くなったのは…考える間もなく
私の唇を奪った彼のせいだ。
暗かった海は、小さな朝日に照らされ始めていた。
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(お茶・・)ψ(プロフ) - 雪菜さん» 修正しました! (11月11日 21時) (レス) @page27 id: 50df67fa86 (このIDを非表示/違反報告)
雪菜(プロフ) - すみません、リク『全てあなたのもの』ガプセン見れないみたいなのですが、私の方がおかしかったりするのでしょうか? (10月15日 23時) (レス) id: 5e33687809 (このIDを非表示/違反報告)
(お茶・・)ψ(プロフ) - ルークさん» 了解ですれ (2019年3月22日 20時) (レス) id: a532ab1672 (このIDを非表示/違反報告)
(お茶・・)ψ(プロフ) - まるごと林檎。さん» うわ、すみません!いまみました!!了解でし! (2019年3月22日 20時) (レス) id: a532ab1672 (このIDを非表示/違反報告)
ルーク - 無痛症の夢主に対してみんながどんなふうに対処?というかケガしないようにするかを見たいです! (2019年3月22日 17時) (レス) id: 73881cdf76 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:(お茶・・)ψ | 作成日時:2017年7月19日 17時