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捺香から加奈さんちに泊まると連絡があって、久しぶりに一人の夜を過ごす。
加奈さんが飲み過ぎて潰れたから放っておけなくなったって、困った声で電話をしてきた捺香の顔が容易に想像できた。
思えば捺香が誰かとご飯を食べに行くのも久しぶりで、いつも僕と一緒だなと何の気なしに思ったけど、完全に二人の世界で生きているなと感じて色々複雑な気分になる。
最初は僕が不安にならないようにって、彼女が無理して自分を変えた。
おかげで僕の心は楽になっていったけど、無理した歪みが彼女に自信を無くさせた。
自信を無くして不安定な彼女は僕だけを見るようになった。
そう。ずっと、僕が望んでた彼女になった。
彼女の事を支配したい。
誰にも渡したくない。
全部自分のものにしたい。
僕だけ見て、僕しか愛さないように。
だけど、不安そうに僕を伺う顔に、好きだった彼女の面影は無かったし、僕の心が伝線したように彼女の雰囲気も薄い影ができた。
僕は無意識に彼女を追い詰め、僕の中に閉じ込めて自分のものにした。
身体だけじゃなくて、彼女の心までも力ずくで、彼女の意志を抑え込んで僕だけのものにした。
望んでたのに、そうなった彼女に違和感しかなくて、僕の心は真っ黒でぐちゃぐちゃになった。
後悔した。
もう素直になれない僕が、彼女を自分のものにするために取った行動言動全て。
やっぱり僕は弱い人間で、一生懸命彼女を愛してるのに、愛し方が間違ってるなんて思わなかった。
表面上に浮かぶ自分の考えや意志と違う、もっと奥の深層心理なんて本人でさえわからない。
そのことに気付いたのも自分の人格を調べていくうちにわかっただけで、調べてなかったらきっともっと彼女を追い詰めて壊してしまってたと思う。
僕が本当に欲しかったのは僕を好きになってくれた飾らない彼女だったのに、きっとこれ以上彼女を愛しても彼女を幸せにすることは出来ないんだなぁって漠然と感じながら傍に居る。
彼女に対する想いは嘘じゃないから、彼女の些細な感情の揺れ動きには直ぐ気付くし、甘えてほしいから抱きしめる。
抱きしめながら、早く彼女を解放してあげたいって思ってるなんて、彼女は一ミリも思ってないだろうな。
本当はいつも思ってるよ？
こんな俺でごめんって。
俺なんかより、もっと良い人いるよって。
だから早く、僕の事、捨ててくれていいよ。
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あお(プロフ) - まなみさん» めちゃくちゃ嬉しいです！気持ちがコロコロ揺れ動く斗亜くんですが、最後まで楽しんでもらえたら嬉しいです！ありがとうございます。 (9月19日 21時) (
レス) id: 8b0beef4ed (このIDを非表示/違反報告)
まなみ(プロフ) - このお話が大好きで前作からまとめ読みを数回繰り返しています、、、！更新楽しみにしています！ (9月16日 19時) (レス) id: 5166b5aa5a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あお | 作成日時：2023年7月27日 13時
