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気付けば涙が頬を伝っていたけど、加奈はそんな私に驚くこともなく優しく笑いながら「マスカラ、ウォータープルーフ？」なんて言って、ハンカチを差し出してくれる。
涙の理由より、マスカラが落ちて黒くならないかの心配に、私の心もフッと軽くなって小さく笑った。
もちろん、本当にマスカラの心配をして言ったわけじゃ無いのはわかってるし、どんな時も普段通りに振る舞ってくれる加奈の優しさだった。
「喧嘩・・・とかじゃないねんけど・・・斗亜と・・この先上手くやっていける自信なくて」
今の状況を何て言って良いかわからなくて、とりとめのない言葉になる。
斗亜は別れるつもりないって言ってたけど、こんな状況が楽しいわけないし、そのうち冷めて捨てられるんだろうなって考えてる私は、やっぱり斗亜を信じれてないんだなって思う。
斗亜はそんな事一言も言ってないのに、勝手に斗亜の気持ちを悪い方にばっかり作ってしまう。
「そう言えば、引っ越したんよね？・・・彼氏と一緒に暮らすってどんな感じ？」
加奈は私をジッと見つめたまま、先週新居に引っ越したばかりの斗亜との暮らしを尋ねてきて、不意に斗亜の顔が浮かぶ。
既に半同棲のような生活をしていた私達だったけど、私の情緒不安定な現状に斗亜が提案してくれたのが、ちゃんと一緒に暮らそうだった。
お互いの気持ちだとか、目に見えないものがどうしても信じられない今の私に、斗亜の気持ちを少しでも目に見える形にしてくれた。
この間19歳になったばかりの彼だけど、知らない間に言う事も考えてる事も随分大人になったなと感じながら新居に引っ越した。
ほんのつい半年前まで高校生で正直子供っぽかったのに。
言い合いになっても喧嘩にまで発展しなくなったし、私の話を聞いて私の気持ちをしっかり考えてくれるようになった。
斗亜はあの日、強くなるって言ってから、真っ直ぐその通りに人間的に強くなっていて、最近じゃあどっちが年上なのかってくらい。
きっと全部私の為に頑張ってくれていて、それは目に見えないものであっても、凄く斗亜の愛を感じる。
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あお(プロフ) - まなみさん» めちゃくちゃ嬉しいです！気持ちがコロコロ揺れ動く斗亜くんですが、最後まで楽しんでもらえたら嬉しいです！ありがとうございます。 (9月19日 21時) (
レス) id: 8b0beef4ed (このIDを非表示/違反報告)
まなみ(プロフ) - このお話が大好きで前作からまとめ読みを数回繰り返しています、、、！更新楽しみにしています！ (9月16日 19時) (レス) id: 5166b5aa5a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あお | 作成日時：2023年7月27日 13時
