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そんな事を淡々と話す斗亜に、俺は少し泣きそうになりながら下唇を口内で噛んだ。
目の前の斗亜は、半年前の斗亜よりもずっと成長して強くなったのに、上手くいきそうにない2人の結末に哀しくなって切なかった。
「・・・でも、なっちゃん許してくれてたやん？斗亜の事、好きやから信じようって・・今でもそう思ってて戦ってるんちゃうん？」
自分の事じゃないけど、何か納得できなくて斗亜本人に疑問を投げるけど、斗亜は力無い笑顔を見せる。
「うん・・・俺も思ってた。・・・あの時、許してくれたんやって。・・・それはそうねんけど、捺香からしたら、その出来事は許せても、信じようって思っても・・・その先、同じような事ある度に捺香は我慢して不安も苦しさも辛さもねじ伏せて、俺の事許し続けていかなあかん。・・・・・・あの時許してくれたのに・・じゃないねん。・・・俺とずっと一緒にいるって事は、捺香は俺を許し続けて信じ続けていかなあかんし、俺は捺香に許してもらい続けて信じ続けてもらわなあかん。・・・・捺香ばっかりしんどいんやって、やっと気づいてん」
俺のせいやのに、捺香ばっかりそんな思いさせたくない。
そう呟いて、斗亜は椅子の背もたれに大きくもたれてカフェの無機質なコンクリートを眺めた。
その表情は、無表情だけど、どこか虚しさや後悔、自分の無力さみたいなのが混じった哀しい顔に見えた。
「ほんまは早く別れた方がええねんけど、でも、これを今の捺香に説明しても、依存して執着してるから、俺に冷められたって不安定になるねん。・・・やから、捺香の気の済むまで傍に居たら、そのうち冷静になって、俺の事嫌になると思う。・・・そしたらきっとこれ以上捺香壊れんで済むと思うねん」
俺が半年前に何気なく言った一言が無かったら、自分達の関係性に気付かなかった。
気付けたから、めちゃくちゃ調べた。
あの時気付いてくれてありがとうって斗亜は言う。
調べて調べて、悩んで考えて出した斗亜の答え。
斗亜となっちゃんの恋愛だから、2人が出す答えが正解なんだけど、それでもやっぱり俺は、こんな哀しい正解以外の選択が無いのかと、胸が痛くなった。
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あお(プロフ) - まなみさん» めちゃくちゃ嬉しいです！気持ちがコロコロ揺れ動く斗亜くんですが、最後まで楽しんでもらえたら嬉しいです！ありがとうございます。 (9月19日 21時) (
レス) id: 8b0beef4ed (このIDを非表示/違反報告)
まなみ(プロフ) - このお話が大好きで前作からまとめ読みを数回繰り返しています、、、！更新楽しみにしています！ (9月16日 19時) (レス) id: 5166b5aa5a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あお | 作成日時：2023年7月27日 13時
