2 ページ2
・
僕が入学した学部は皮肉にも心理学の専攻で、何で選んだのかも覚えていないけど、一年前の自分を分析するにはピッタリの環境だった。
あの時、西村が何気なく言った一言がいつまでも引っ掛かっていて、その事をずっと調べていたし、学部の図書館で熱心に専門書を読み漁る僕は、さぞかし勉強熱心な学生に見えただろう。
去年僕に起こった僕自身の変化には、やっぱりちゃんと理由があって、調べれば調べるほど悲しくなった。
当てはまる項目の意味や理由も、そうなった時にやってしまう行動も、全てが去年の僕だった。
僕は知らず知らずのうちに共依存恋愛に足を踏み入れていた。
きっかけになるような特性の依存症では元々なかったけど、おそらく、一途さや真面目さ、純粋さが平常レベルを極端に超えてしまったんだと自己分析した。
依存も、度を越えなければ誰しもが持ってる症候群だけど、極端に超えてしまうと去年の僕みたいになってしまう。
抜け出せなくなる前に戻ってこれたのは、彼女が自分を見失わないでいてくれたから。
あのまま彼女も僕に引きずり込まれてたら、僕らは抜け出せない苦しい恋愛をするところだった。
だった。で、終わってくれれば良かったのに。
最近の彼女の変化に気付かないわけがなかった。
彼女は、嬉しい事や楽しい事はそれこそ出会った時から伝えてくれる人だったし、彼女も僕と似ていて割と顔に出るけど、心の奥の見せたくない感情や気持ちは自分で消化できる自立した人だったけど、僕が不安にならないよう少しづつだけど伝えてくれるようになって、少しづつ甘えてくれるようになった。
それが溜まらなく嬉しかったし愛おしかった。
だけど、今まで自分で処理で来ていた彼女の気持ちは、わざわざ口にして外に出すことで、今度が彼女が不安定になっていった。
僕が不安にならないように、わざわざ言わなくてもいい自分の気持ちを僕に伝える事で、僕と彼女の境界線が薄くなって、自分の気持ちを冷静に判断できなくなっているようだった。
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 98人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あお(プロフ) - まなみさん» めちゃくちゃ嬉しいです！気持ちがコロコロ揺れ動く斗亜くんですが、最後まで楽しんでもらえたら嬉しいです！ありがとうございます。 (9月19日 21時) (
レス) id: 8b0beef4ed (このIDを非表示/違反報告)
まなみ(プロフ) - このお話が大好きで前作からまとめ読みを数回繰り返しています、、、！更新楽しみにしています！ (9月16日 19時) (レス) id: 5166b5aa5a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あお | 作成日時：2023年7月27日 13時
