another story Episode1 ページ10
nathuka
「なぁ。・・・俺ほんまに大丈夫？」
ちょっと不安そうな斗亜の何度目かの「大丈夫？」に「・・・何の心配？全然大丈夫やって」って言うけど「ほんまに？・・・めっちゃ子供や思われてへん？」って、まだ心配そうに言うから「・・・夜は私よりも大人な事してくんのに？・・・・私、斗亜の事もう年下やなんて思ってへんで？」って、ニヤニヤしながらちょっと意地悪言ってみた。
予想外の言葉に斗亜は少し顔を赤くして「そ・・・れは、またちゃうやん。・・・恥ずかしいしやめてーや」って、そっぽ向くから「えー？恥ずかしいん？・・・私は夜の斗亜も好きやけど？」って更に煽ると「・・・・なっちゃん、そんな意地悪やったっけ？」って横目でちょっと睨んできた。
ちょっと拗ねた感じが可愛くて、思わず吹き出しそうになるけど「いつもの仕返しやん」って笑って、そっと斗亜の手を繋ぐ。
「加奈、斗亜に凄い会いたがってたから、そんな緊張せんで大丈夫やで？」
「そう言ってくれはるんは嬉しいんやけど・・・俺、ちょっと加奈さん苦手やねん」
斗亜から意外な返事が来て少し驚く。
「あ・・・そうなん？・・・なんかあった？」って質問すると「いや・・なんかあった程は無いんやけど。・・・あの、グイグイ質問してきはる感じが・・・」
語尾が少し小さくなる斗亜の言葉に「あー・・・確かにね。初対面でも誰にでも同じように話すから裏表ない子やけど、ちょっと驚く人もいるし。・・・。そやんね？・・斗亜が加奈に会った時、私居ないようなもんやったし・・・ちょっとビックリした？」
斗亜は２回加奈に会ってるけど、１回目は私の意識が無かったし、２回目は完全に斗亜だけだったから、意外に人見知りな斗亜からしたら加奈に慣れるまでは確かに苦手なタイプかもしれない。
「うん・・・良い人なんやなって思うけど、なっちゃんおらんかったら多分自分から話しかけれへんタイプの人やわ・・」
・・・・今の所は。って付け足されたのは、きっと私の友達だから、第一印象で決めつけたら失礼だって思ったのかな。
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作者名：あお | 作成日時：2023年6月27日 11時
