君だけの華～another (ページ6)

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斗亜にそんな表情させられる彼女さんってどんな人なんだろう。
そして・・・それは良い関係性なんだろうか・・・

ただの妬みになる気がしたから口には出さないし、斗亜と彼女さんがどんな付き合い方をしてても私には関係のない事。

斗亜の中の大事な人に私は入ってたみたいだけど、特別な人は1人だけ。
私じゃない。

こんな風に自分の心を削ってまで誰かを好きになる事は、もう無い気がする。
それくらい全身で斗亜のこと好きだった。
だけど、自分を削ってまで自分以外に心を奪われるって、本当の恋だったんだろうか・・・

なんかもう疲れてしまって、次は自分らしくいれる人に恋したいって、漠然とそう思った。

旅行から半月後にあった登校日で斗亜に会ったけど、会ったってよりは、教室に居たってくらいの距離だった。
斗亜は遅刻ギリギリに来て、卒業式の予行演習が終わったら直ぐに帰ったから、実際話すタイミングもなかったけど。
仲の良いいつもの男子メンバーとは楽しそうにしているのを遠目から見てたけど、斗亜と目が合う事もなかった。

メールの連絡先も、他のSNSもフォローは外されてて、もう斗亜と繋がってるものは一つも無くて、これからは斗亜と関係のない世界で生きていくんだなぁって思うと、一つ一つ斗亜が遠くなっていってる感じがして、これで良かったんだなって、少しづつ思うようになった。

卒業式でみんなで写真を撮ったけど、斗亜は映りに来なかった。
個人的に友達と撮っているのは目に入ったけど、私が入るグループに声を掛けられても「後で入るわ」とか言って結局入ってこなかった。

なんか、あまりにも無かった事にされてるのが凄く悔しくなって、斗亜が1人になったタイミングで斗亜を捕まえた。

腕をグイっと引っ張ると、驚いて振り向いた斗亜が「・・・どしたん？」って普段と変わらない感じで言うから、今までの時間が一気に蘇ってきて涙が出そうになったけど、堪えて「・・一緒に写真撮ろ？」って言ったら、斗亜は少し眉を下げた。

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