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大学の話に出てくるのは男友達や風雅くんの話、それと授業の話。
彼女がいるなんてプライベートな会話をするくらい仲の良い女の子がいたんだ・・。
知らなかった。
「・・・斗亜と仲良いんですか？」
ブライダルで働いてて良かったのは、自然な笑顔を作れること。
さも世間話の続きのように質問できた自分を褒めたい。
私の質問に彼女は少し目線を下にして「いや・・仲良くはないです」って想定外の言葉がでる。
よくわからなくなって首を傾げ彼女を見つめると、彼女が続きを話す。
「こんな事彼女さんに言うのアレなんですけど・・・嶋��くんに連絡先教えてって言ったら、彼女がいるからって断られて・・」
チラッと私を見て言葉が続く。
「彼女以外興味無いからって言ってたんで、そんなに想われる彼女さんってどんな人かなって・・・勝手に思ってました」
とてつもなく気まずくて返事に困る。
連絡先聞いたって事は、きっとこの子は斗亜に気があるから聞いたんだろうけど、断った理由聞いて、何て言っていいかわからない。
「あ・・・そう・・ですか」
「勝手にベラベラ話してすみません・・・でも、嶋��くんとお似合いですね」
「・・・・あ・・そう言ってもらえると・・・嬉しいです」
お互い、気まずくなってるのはわかってて、これ以上無理って思ったので「あ・・彼と待ち合わせてるんで・・・案内してくれてありがとうございました」
そう言って、ペコリとお辞儀して彼女と離れた。
悪意があってあんな話になったんじゃない事はわかってるし、本当にただの偶然でしかない。
しかも斗亜は彼女の、おそらく好意を初めから断っていて、彼女も受け入れてた。
だけど・・・彼女はこれからもこの大学に通う。
同じ学部で、この先何も無いかなんて・・・わからない。
可愛い人だった。
あんな可愛い人が、ずっと斗亜の傍にいるんだ・・・。
こんな事、この先もずっと考えないといけないんだろうか・・。
斗亜を信じていても、斗亜に好意を向ける相手には何もできない。
誰が誰を想おうとも、私が口を出せる事じゃないから。
そんな事を考えてると再び電話が鳴って、斗亜だと思った。
どうしよう。
どうしようって言ったって出ないわけにいかない。
「・・・はい」
「あ、捺香？どこ？校舎わかる？」
「・・・・ん。・・もう目の前・・・」
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作者名：あお | 作成日時：2023年6月27日 11時
