君だけの華～another (ページ31)

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another story　Episode６ページ31

Natsuka

最近斗亜の様子が少し変だと思う。

変って言うのも少し違う気がするけど、何て言っていいかわからないけど斗亜らしくない。
それも斗亜なんだけど、なんか違う。

らしい。ってなんだろう。

例えば、私の中の斗亜の印象は、純粋だったり、無邪気や素直・・・そんなイメージが浮かぶ。
これが斗亜ですってものは勿論無いし、私の中のイメージが斗亜の全てじゃないんだけれど。

去年斗亜は自分が感じるネガティブな感情に傷ついて認められなくて無理矢理抑え込んでしまった。
自分の気持ちを無いものにし続けて壊れかけた。

壊れかけたなんて言ったら大層に聞こえるかもしれないけど、大層な事だと思う。
それが誰でも通る思春期であったり、子供から大人に変わってく過程であったとしても。

大学に入って、また少し大人になった斗亜は、穏やかで落ち着いてるように見える。
大人になったって言えばそうなんだけど、時々穏やかな空気が何て言うか、遠慮のような風に見えてしまう。

捉え方次第なのかもしれないけど、斗亜は私にどこか遠慮って言葉が一番近そうな、そんな空気を時々出していた。

私は、その遠慮のような空気も、斗亜が色々考えて出た空気なら、それも斗亜なんだなって受け入れたい。
でももし、斗亜の心が無理してるならそれは困る。

もうあんな斗亜は見たくない。

その日は私が休みで、斗亜は学校だった。

午前中に斗亜から、レポートのUSBを忘れたから持ってきてほしいって連絡が来た。
特に予定はなかったから、良いよって返事して、ついでにお昼一緒に食べようって話になった。

今の若い子みたいに、ゆったりしたパンツにピッタリめのトップスを合わせた格好をしてみたけど、なんか似合ってない気がする。
ほんの２年前まで自分も学生だったし、見た目そんなに変わってないって思ってたけど、やっぱり歳は取ってるなって、鏡の自分に苦笑いが出る。

こういう時、斗亜との歳の差を凄い感じる。
斗亜は、自分が子供っぽいって気にしてるけど、私だって思いっきり気にしてる。

どうしたって若返る事なんてできないから。
１８歳の彼と、こないだまた一つ歳を重ねた２４歳の私。

あ、まずいな。

また気分が沈む。

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