君だけの華～another (ページ4)

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Asami side ページ4

A side

露骨に避けたりされることはなくても、あの旅行で斗亜との関係性は途切れた。

最後、斗亜と手を繋いで寝たけど、朝起きたら既に斗亜は起きていて隣にいなかった。

昨日自分のした事はしっかり覚えていて、顔が赤くなる。
意識はしっかりあったけど、お酒を飲んでた分どこか開放的な気持ちだったと思うし理性も緩かった。
斗亜に触れられた部分に意識がいって、胸がキュッてなる。
あのまましなくて良かった気持ちと、やっぱり斗亜と一つになりたかった気持ちとで、切なくなって、好きな人を諦めるって心が死んでしまったような気分になる。

だけど、相手の気持ちは相手の物だから、思い通りに行かない事なんていくらでもある。
少しづつ記憶から薄れて思い出になるまで、今の自分を受け入れていくしかない。

斗亜は昨日の事なんて無かったかのようにみんなと楽しそうにしてて、気まずい空気も無かったし、テーマパークの時みたいに私を避ける事も無かった。

最後みんなで写真を撮る時、斗亜が通行人の人に写真をお願いしてる間にみんなある程度並んでて、いつもなら私の隣に入って来るから無意識に端っこに並んでたけど、反対側の端にいた拓哉に話しかけながら拓哉の隣に向かう斗亜を見て、心が冷やっとなった。

その自然な流れを見て、斗亜の中で、私はもういないんだって、なんとなくそう思ってしまった。

旅行の帰り道でお茶して帰ろうと莉子に誘われ、昨日の夜の話を聞かれて大雑把に話すと「そっか。・・・麻美はそれで良かったん？」と質問された。

「・・・良かったかは・・わからへん。・・・もしあのまま最後までしてたら、斗亜の言うように、いつまでも割り切れへんかったと思う。・・・でも、すればよかったっとも思う。・・・どうしたら良かったのかも、もうわからへん」

小さくため息が出て落ち込む私を見て莉子が、私が勝手に感じたんやけど・・と前置きをして「斗亜ってさ・・・・自分の意志？あんま無いよね？・・・言い方難しいんやけど、相手に合わせすぎるっていうかさ。ほんまの斗亜の気持ちって、いまいちわからんなぁって斗亜と話してていつも思う」