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優しい。
なんやろ？・・・そんな特別優しい事なんかしてないし、どっちかというと思った事ハッキリ言ってしまうから、苦手って言われる事の方が多いのに。
あ、でも・・・・
入学して直ぐにあったオリエンテーションで、勝手に振り分けられたグループが斗亜と一緒だった事から話すようになって、直ぐに仲良くなった。
その時同じグループの女の子達に連絡先を交換しようと言われ、斗亜が少し困った顔をした。
俺は元々交換する気が無かったから「今んとこ連絡する用事とか無いし、俺は止めとくわ」って言って「嶋��くんは？」って斗亜に聞くと、慌てて「あ、俺も」って言って俺の意見に便乗してた。
帰りに「さっきありがとう」って言われたけど、何の事かわからなくて首を傾げると、俺の反応に笑いながら、連絡先交換の時って言った。
「あぁ・・・俺が仲良くしたいって人しか教えたないし」
そう返すと「・・・それできるんが凄い。・・・大西くんって優しいねんな」
そう言って斗亜は少し俯いた。
その顔がなんかちょっと哀しそうな感じに一瞬見えた。
「・・・優しいか？相手からしたら断わられて嫌なんちゃう？」
「でも、自分の気持ちも理由もちゃんと言えるって凄いと思う。・・・変に気使ったり嘘つかへんとことか・・・」
言いながらなんか急に恥ずかしそうにされても俺はどうしていいかわからんかったけど、なんか嬉しい気分になる。
わざわざ嫌われる為に言ってるんじゃないって、わかってくれたのが嬉しかった。
「なぁ、斗亜の連絡先教えて？」
そう言うとめちゃくちゃ嬉しそうな笑顔で携帯を出してきた。
犬みたいやった。
「風雅。これ、持ってって？」
キッチンから声を掛けられて我に返る。
トレイに斗亜の彼女のコーヒーを乗せると、斗亜がこっちに来たからトレイごと斗亜に渡す。
急にトレイを渡されて？マークの斗亜に「これ斗亜の彼女が頼んだやつ・・・持ってって？」って言うと尻尾振って持ってった。
やっぱり犬みたい。
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作者名：あお | 作成日時：2023年6月27日 11時
