another story Episode5 ページ28
Fuga
「お一人様ですか？」
ホテルのロビーラウンジのような少し上品なカフェは１人で来店も珍しくない。
今やって来た女性もお1人様。
緩めに巻いた髪に、7分袖がふわっとしてるシャツとタイトな膝丈のスカートで、いかにもOLさんって感じだけど、顔はなんか可愛らしくて学生にも見えるけど、歩き方とか見てると大人の女性だなって思う。
窓際の席に案内すると、店内を少しキョロキョロしてて、その動作が可愛かった。
席に座ると同時にコーヒーを注文してきたので、そのままキッチンにオーダーを通す
飲み物だけなので直ぐに出来上がるからカウンター前で待機していると、反対側のお客さんの対応してた斗亜もカウンターに来た。
「なぁ、窓際のあのお姉さん可愛ない？」って何気に斗亜に言うと、視線を窓際に向けた斗亜から「・・・・え？」って、なんか驚いた返事が返ってくる。
そのままお姉さんの方へ向かって行って、斗亜に気付いたお姉さんが嬉しそうに小さく手を振る。
斗亜の知り合いやったんか。
やからさっき店内キョロキョロしてたんや。
そんな事をぼんやり思ってるとキッチンからコーヒーが出来上がったのでお姉さんに運ぶ。
俺が近づいて来たのに気付いて斗亜がお姉さんに何か話している。
お姉さんは俺を見て、なんか、あっ、って顔をしてた。
俺は2人の顔を交互に見て「斗亜の知り合い？」って質問すると「うん、彼女」って返ってきた。
ちょっと・・・いや、かなり意外だったけど、そんな事思ってる事を1ミリも出さず「そうなんや・・こんばんは」ってお姉さんに挨拶しながらコーヒーを机に置く。
お姉さんはニコニコしてて「こんばんは風雅くん」って言ってペコって会釈してくれた。
俺も軽く会釈して「ごゆっくりどうぞ」って言ってカウンターへ戻る。
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作者名：あお | 作成日時：2023年6月27日 11時
