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今日のなっちゃんはいつもより幼く見えて甘くて可愛い感じがして、なんか胸がいっぱいになる。
手繋いで歩くのも久しぶりで、ついこの間まで普通にできてた事が、何でか今は自分に理由がないとできなくなってる自分に戸惑った。
遅くまで開いているカフェでケーキを買った帰りに、さっきの花屋の事を思い出して話すと、彼女が携帯で花言葉を調べ始めた。
無言で携帯を見てる彼女に「どんな意味なん？」って聞くのに返事が無くて「・・なっちゃん？」って彼女の名前を呼ぶと「・・・言うん恥ずかしいから、斗亜も後で自分で調べて？」なんて気になる返事が返ってくる。
「えぇー・・・今知りたい。・・・言うて？」
そう言って顔を覗き込むと、チラッと僕の顔を見て直ぐに視線を逸らされた。
「・・・・色も本数も、何個か意味があるけど・・・感謝とか・・可愛い人とか・・・・愛してます・・・・・とか」
これは恥ずかしい。
なっちゃんが言いにくいのもわかる。
だけど・・・・
「うん・・・それで合ってる」
頑張ってちゃんと聞こえる声で彼女に伝えると、逸らした視線を再び合わせてきて見つめ合う。
足を止めて「花言葉・・・俺の気持ちで合ってる・・・・その・・・愛してるから」
それだけ言って彼女の手を繋ぎ直して歩く。
もう恥ずかしくて絶対彼女の顔は見れないし、歩く速度もさっきより少し速くなるけど、彼女も無言で僕に手を引かれて歩く。
暫く沈黙が続いてたけど「・・・・なぁ、もう一回言って？」なんて、なっちゃんの嬉しそうな声が聞こえた。
こんな恥ずかしい事もう一回なんて、とてもじゃないけど言えないから「一回しか言わへん」って、やっぱり彼女の顔は見れなかった。
後ろから小さく笑う声が聞こえて、絶対ニヤニヤしてるんだろうなって思ったけど、恥ずかしすぎて、繋いだ手を強く握り直す事しかできなかった。
結局、去年の誕生日は花束しか送れなかったから、今年は去年の分もちゃんとお祝いしたい。
やっと、ちゃんと彼氏らしいことができるようになった。
時計、気に入ってくれたらいいな。
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作者名：あお | 作成日時：2023年6月27日 11時
