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それでも彼女は僕の気持ちを受け取ってくれて「一緒にいてくれるんが一番嬉しい。・・でも、慌てて買ってくれた気持ちが・・・凄い嬉しい」って言って花束を受け取ってくれた。
花束を持ったままそのまま抱きしめてくる彼女を強く抱きしめると「・・予備校・・サボって来てくれたん？」
ちょっと背伸びした彼女が耳元で言うから、こそばゆく感じながら「うん。・・・ずっとなっちゃんの事考えてて、勉強頭に入らんかった」って言うと「私も・・・仕事、全然やる気起きひんかった。・・・一緒にいてってちゃんと言えば良かったって」
そう言われて胸のチクチクがキュッてなる感じがして「俺に気使ってくれたのに、あんな言い方してごめん」って素直に言うと「・・・今日会いに来てくれてありがとう・・・めちゃくちゃ嬉しい」って笑ってくれて、何でか泣きそうになって、気付かれないように彼女の両頬を包んで唇を重ねた。
首元の花束のバラの香りが鼻を掠める。
花屋なんか入る事無いし、閉店ギリギリに制服姿の男子学生が花を選んでるのが珍しかったのか、店員さんが凄い興味津々な感じで声を掛けてきた。
喧嘩した彼女の誕生日だと伝えると楽しそうに花束を作ってくれた。
ピンクの薔薇3本をメインに何種類かの花を混ぜてアレンジされた花束。
本数や色にも意味があるから、彼女と仲直りできたら2人で調べてみてって店員さんが楽しそうに言ってて、なんか遊ばれてる気分になったけど、普段言えなさそうな僕の気持ちを花に込めたって言われたら悪い気はしなかった。
そんな事を薔薇の香りでふと思い出した。
今日は平日だから明日も学校と仕事だけど、帰りたくなくてそのまま泊まる事にした僕に「１個我儘言うても良い？」って聞いてきた。
考えたら今まで我儘言われた事無かったから、なんか凄い嬉しくて「うん。俺にできる事やったら何でも」って返す。
「せっかく斗亜来てくれたから・・・ケーキ食べたい」
ちょっと恥ずかしそうに言う彼女が可愛くて、なんかムズムズする。
「ええよ。・・・・でもケーキ屋ってもう閉まってるしテイクアウトできるカフェとかのケーキでもいい？」
そう提案すると嬉しそうに「うん。コンビニでも何でもいい。・・・今日、斗亜と一緒にケーキ食べたい」なんて、もっと可愛い事言ってきた。
「買ってくるし待ってて？」
財布だけ持って出ようとしたら「一緒に行く」って言って、ギュってくっついてきた。
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作者名：あお | 作成日時：2023年6月27日 11時
