君だけの華～another (ページ20)

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大学にも、日々のルーティーンにも少し余裕ができて、時間を上手く使えるようになってきた分、暇な時間ができてきたのでバイトでもしようかなと思っていた時、大学で仲良くなった風雅が一緒にバイトしよって誘ってくれた。

あんまり忙しくない所が良いなって思ってたら、割と落ち着いたカフェのバイトだった。
イメージ的にホテルのカフェラウンジみたいな感じで、コーヒーが好きな大人がゆっくりしそうなお店。
僕らみたいな学生が気軽に入るにはちょっと敷居が高そうなので、落ち着いてバイトできそうだなと思い、ここでバイトすることにした。

同世代の女の子が多いバイトはなんとなく無意識に避けていて、大学でも同じ学部に友達は出来たけど男友達ばかり。

講義で女の子が隣に来る事があるけど、講義そっちのけで話しかけられたりする。
最初は、同じ学部だし仲良くした方が良いかなとか思ったけど、どこか胸の奥が痛くなる感じがして、当たり障りのない会話しかしない。

捺香は勿論だけど、もう誰も傷つけたりしたくなくて、無駄に女の子と仲良くなるのを避けた。
最初から仲良くならなかったら、好きだ嫌いだなんて感情になることが無いから。

誰かに好きになってもらえる程の人間でもないけど、もう捺香以外の人に好きになられるのが怖い。

これって俗に言うトラウマなんだと思うけど、生活に支障をきたすほどでもないし、普段からそんな事ばっかり考えているわけでもない。
だけど、傷つけようとして傷つけたわけじゃないのに、結果、自分のせいで人を傷つけたって事実がいつまでも心の傷になっている。

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「嶋﨑くんって、サークル入らないの？」

隣の席に座った、同学部の女の子が聞いてきた。
・・・前に名前言ってた気がするけど覚えてない。

「あー・・・今の所は」

ホワイトボードの文字を移すのに集中してて、隣の子の顔も見ずに答える。

「一緒のサークル入らない？」って言われたけど、サークルにも隣の子にも興味が湧かないから「んー・・・あんま興味ないから入んない」って、やっぱり顔も見ずに返した。

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