君だけの華～another (ページ19)

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another story　Episode3 ページ19

toa

僕がこの大学を選んだ理由は、彼女よりも偏差値が高いとこ。それだけ。
今思えば本当にくだらない理由だなと思う。

基本的に僕はそんなに賢くない。
勉強も正直好きじゃない。

大学受験が嫌だから内部進学できる高校を選んだのに、結局苦手な勉強を１年間も吐きそうになりながらする事になるなんて、想像しなかった。

目的が偏差値の高い大学合格だったから、実際そこに通うイメージをしていなくて、受かってから自分がどんな学校に行くのか調べたくらい受かった学校に興味が無かった。

それでも、難関校と言われる学校に受かったのは、やはり自信の一つになった。
そして適当に選んだ学科も、今まで自分が学んだこともない学部だったから、一から学ぶって意味で、何にでもすぐ流されてた今までの自分を少しでも変えれたらなと思う。

彼女に釣り合う男から、今度は彼女を支えれる男になりたい。

でも、今度は上手くできる気がする。
まだ全然、相変わらずな僕かもしれないけど、こんな何もない自分でも良いんだって思わせてくれる彼女の為なら、僕はずっと彼女の傍にいたい。

1個だけ、学校に通うのが億劫になるのが学校の場所。
思ってたより自宅からだと遠くて、１限のある前日は彼女の家に泊めてもらう事が増えた。

おかげでサボることなく真面目に大学生して1カ月ほど経った。

彼女の仕事は春先から初夏が忙しいので、自宅に泊めてもらう代わりにご飯作ったり家事を手伝う事が増えた。
「気使わんで良いのに・・・でも嬉しい。ありがとう」って喜んでくれてるから僕も嬉しい。

パスタくらいしか最初作れなかったけど、簡単なおかずなら作れるようになって、僕よりも遅く帰る彼女が、お腹すいたーって帰って来て、美味しいって言ってご飯を食べてくれるのがめちゃくちゃ嬉しい。

思ったより課題やレポートが多く彼女の部屋で課題をするから、僕の荷物が段々増えてるのもなんとなく嬉しく感じたし、一緒に住んだらこんな感じなんかな？とか、そんな事を想像するけど、週の半分はここにいるから既にもう一緒に住んでるようなもんだった。

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