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「・・・なっちゃんのどんなとこ好きなん？」
斗亜が中村くんに尋ねる。
「そうっすね・・・誰にでも優しいとことか、自分以外の人の事でも一生懸命考えてくれるとこ・・・とかですかね」
中村くんが少し考えるような素振りを見せながら答えた言葉に「・・・うん。俺も」って斗亜が返事をする。
「俺も中村くんと一緒やわ。・・・なっちゃんのそういう所、好きやわ」
斗亜がそう言って笑うと、女の子のバイトちゃん達も「わかるー。谷口さん忙しくても絶対苛立ったりしないし、バイトの私らにもちゃんと気使ってくれはるし。一番可愛いよねー」なんて言って、なっちゃんの事を褒めてるバイトちゃん達を見てたら、何故か腕を抓られた。
顔はお互いニコニコしながら「なんで抓んねん」って小声で斗亜に文句を言うと「彼氏いる言うたんやったら俺の事言うとけや」ってキレられた。
「・・・俺が彼氏って言わんの？」
「本気っぽいやん・・・・俺が言う事ちゃうやろ」
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先に行っててと言われ、近くのファミレスで先にご飯を食べてたら、遅れてなっちゃんが来た。
「遅くなってごめんな？今日はほんまありがとう」って言いながら斗亜の横に座るなっちゃんに「・・・まだ仕事残ってたん？大丈夫やった？」って遅れてきたなっちゃんを心配した言葉が斗亜から出た。
「あー・・ちょっとバイトくんに話があるって言われてん」
そのセリフに俺と斗亜はなっちゃんに気付かれないようにチラッと顔を見合わせた。
「そうなん？・・・くん。って事は、中村くん？」ってさり気なく会話を繋げると「そうそう。中村くん。・・・実は、好きですって言われたん」って、ちょっと気まずそうに斗亜を見る。
「へぇー・・・何て返事したんー？」
片手を頬杖ついてなっちゃんを見ながら続きを促す斗亜に「・・・今日来てた嶋��くんと付き合ってるからごめんねって」恥ずかしそうにはにかんでなっちゃんが言う。
「・・・言うて大丈夫なん？」
「え？言ったらあかんかった？・・・でも、お似合いですねって」
お似合いって言われたら嬉しいなって、なっちゃんが付け足すと「あー・・・まぁ」とか言ってぶっきらぼうに返すけど、斗亜の顔は少し赤くなってた。
温度高めのカップルのやり取りをただただ見させられて、俺の居心地は最高に悪かった。
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作者名：あお | 作成日時：2023年6月27日 11時
