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唖然としてる彼女に「もう２年くらい付き合ってるんですけどね？・・なんでか望さんと付き合ってるって噂になるって捺香困ってたんですよね」って笑いながら言うと、彼女は「あ・・・そうなんだ。・・・私も噂で聞いただけだから・・」なんて言って気まずそうな顔をしてる。
「噂って怖いですね？言いふらしてる奴いたらぶん殴るんですけどね・・・じゃあ失礼します」ってペコってお辞儀して俺に、帰ろって言って総務部を後にした。
「どしたん斗亜？・・・えらい男らしくなったやん」
堂々と付き合ってる事を言ってた斗亜をからかうと「えー？そんなん他の男と付き合ってるって思われてんの嫌やん」って頭を掻きながら話す斗亜だけど、嫌だと思ってちゃんと言えるようになってる自分に気付いてるんだろうか。
振られてくるって話してた斗亜が、なっちゃんに正直に全部打ち明けてやり直したのは聞いてたけど、俺が心配した2人の関係性は杞憂に済んでそうだった。
きっと、知られたくなかった本音をさらけ出した自分も受け入れてくれた事に自信と余裕ができたのかな？
俺の知ってる自由でのんびりした斗亜がそこに居て。
でも、ちょっとだけ大人になった斗亜なら大丈夫なんじゃないかな？
こんなに俺に心配されてたなんて、横にいる斗亜は思ってもないんだろうけどね。
スタッフルームに戻るとバイトくん達がいて雑談していた。
「お疲れ様です」って声を掛けると「今日ありがとうございました」って言ってくれた。
すると唐突に「西村さん・・・俺、谷口さんに気持ち伝えて諦めようと思ってます」って中村くんが口にした。
中村くんは悪くない。全然。
だけど、隣の男が俺の肩をポンって叩いて「・・・何の話？」って笑ってるのに目が笑ってないのは、誰のせいだろう・・・。
「あー・・・斗亜おらん時に、中村くんの好きな人が・・・なっちゃんやって話になって・・」
しどろもどろに説明してると「谷口さん、彼氏いるって西村さんが教えてくれたんですけど、気持ちだけ伝えようって思って」って中村くんが付け足す。
中村くんはそう言って笑ってるけど、おそらく振られるとわかってて気持ち伝えるって、結構勇気がいると思う。
でも、正直な本気の気持ちだったら、ちゃんと伝えたいって思うのかな？
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作者名：あお | 作成日時：2023年6月27日 11時
