another story Episode2 ページ13
takuya
斗亜から明日の予定を変更してほしいって連絡が来た。
お互い大学に入って、久しぶりに会おうって言ってた連休の初日の予定を、他の日にしてほしいらしい。
他の日に変更するのは全然良いけど理由を聞いてみた。
「ほな明後日でもええで？明日何かあるん？」
「いや・・明日なっちゃん担当の披露宴、スタッフが３人来れんくなって困ってたから、バイト入ってあげよう思って・・・」
前日にスタッフが足りないのは、困る。
俺も働いてたから、当日バイト入ってスタッフ減ってた時の恐怖はよくわかる。
「えー、３人はキツイなぁ。・・・ほな俺も入るわ。・・・俺ら辞めてるけど即戦力やん」
「え、ほんま？・・・ちょっと待ってな？」
斗亜が電話の向こうで誰かと話してる。
きっとなっちゃんだろう。
「あ、もしもし？拓哉？・・・ほんまに良いん？2人来てくれたらめちゃくちゃ助かるけど、どっか行くつもりやったんちゃうの？」
電話相手がなっちゃんに代わって、なっちゃんが申し訳なさそうに話すけど「ええよ。その辺ブラブラするだけやったし。・・・俺ら2人で３人分なるやろ？任せてや」って得意げに言うと「ほんまありがとう。一番大きい会場やし、ほんま困ってたんよ」って安堵の声が聞こえた。
高校２年の時、斗亜と始めたブライダルのバイトは、斗亜が受験勉強でバイトしてる場合じゃなくなったから、高校３年の初めに一緒に辞めた。
俺は続けても良かったんだけど、しつこく誘ってくる社員さん達が面倒くさくなったから。
バイトも社員も顔面レベル高めなのに、高校生ってのが新鮮だったのか、俺と斗亜はいろんな人に気に入られてた。
1人凄い斗亜狙いの社員さんがいたけど、斗亜があまりに鈍感過ぎて露骨にボディタッチとかされてても斗亜は気付いてもいなかった。
バイトに入るのは全然問題無いけど、あの人まだいんのかな？
まぁ、もし明日会った所で、明日だけの事だしな。
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久しぶりにスタッフスーツ着たけど、やっぱちょっと大人になったなって思った。
１年前よりずっとスーツが似合う自分がいた。
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作者名：あお | 作成日時：2023年6月27日 11時
