君だけの華～another (ページ12)

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「あー、そうそう。戻って来たら、斗亜くんに触っちゃったーとか言って喜んでた。・・・あれ？ご飯誘われたりしなかった？」
「あー・・・なんか、言われたけど・・・忙しいって断ったら他の先輩バイトさんと飯行ってましたよ？」

２年くらい前の話だし、田中さんとは何もなかったわけだけど、ちょっと嫌な気分になってると「まぁ、そんくらい斗亜くん人気やったんよ？・・あ、もう1人の子もめっちゃ可愛い言われてた。・・・まさか捺香の彼氏があの斗亜くんやったって、前会った時全然気付かんかったわ」って加奈が上手く話を終わらせた。

「・・・なぁ？怒ってんの？」

加奈と別れて直ぐに斗亜が聞いてきた。
あの後から加奈と別れるまでいつも通り振る舞っていたけど、斗亜には気付かれてたみたいでちょっと心配そうな顔してる。

「怒ってるってわけちゃうけど・・・・田中さんに誘われてたなんて初めて聞いた・・・」
「言われるまで思い出せへんかったくらい記憶に残ってへんかってんて。・・・お菓子くれてたけど、みんなに配ってはったし、そんな気に入られてるなんて思ってへんかったもん」

そう言って私の手を掴んでギュって握りしめる。
「俺の記憶にないくらいの女に怒らんといて？・・・正直顔思い出せへんもん。お菓子くれてたってので思い出したくらいやし・・・」って私の顔を覗き込んでくる顔は、ちょっと口をへの字にして、心配そうな困ってそうな顔だった。

弁明が可愛くて、斗亜の言う通りだなって思って「斗亜・・・自分が思ってるよりモテるんやから、お菓子に釣られたらあかんよ？・・・ちょっとだけヤキモチ焼いたけど、怒ってるわけちゃうよ？」

そう素直に返すと、私を覗き込んでた斗亜の顔が急にニヤニヤした緩い顔になる。

「ヤキモチ焼かれんの・・・新鮮やな。・・・・もうお菓子で釣られへんから安心して？」なんて笑って言うから「お菓子以外でも釣られたらあかんのやで？・・・わかってる？」って返すと「なっちゃんいんのに釣られるわけないやん。・・・それより早よなっちゃんち帰ろ？・・・まだ夕方やけど大人な事しよ？・・・好きなんやろ？」って言って繋いだ手を引いて歩き出した。

どうやらランチ前に意地悪を言った事を根に持ってたみたいだった。
いらんこと言わんかったら良かった・・・。

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