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そんな事を考えてると、今日の仕事が終わってた。
今度から時間が経つの遅いって感じる時は、康二とヒナちゃんのこと考えようかな。
あっという間に時間が経つ。
帰りに少し事務所に寄ったら別件で康二も事務所にいて、帰りにご飯行こうってなった。
俺のお気に入りの定食屋でご飯を食べてるけど、心なしか康二が元気ない気がして「康二、何かあったの?」って聞いてみた。
「んー?・・・いやぁ・・・知らんふりするん、ちょっと疲れただけ」
「・・・・何に?」
なぞなぞの答えは言わずに、ヒントばっかり出すような会話がもどかしい。
「今日、楽屋で聞いてたやろ?・・・しょっぴーの話」
「あぁ・・・ヒナちゃんの事?」
「うん。・・・せやねん」
昨日、翔太の知人のクラブでの出来事を康二が話してくれて、何があったかはなんとなくわかった。
「うん。なるほどね?・・・で?康二は何を知らんふりしてたわけ?」
そう質問すると、康二は食べ進めてた箸を止めて、視線を少し上にずらす。
「話の辻褄は合ってるように聞こえるけど・・・わかるやん?・・・しょっぴーがそんなナンパなんかせーへんことくらい」
「・・・まぁね」
「いや、実際はナンパって言うても、入り口でクラブに入りたそうにしてたヒナを見かけて、なんとなく声掛けたって言うねんな?・・・・入りたいなら一緒に来る?みたいな感じで」
「うん」
「ヒナは、自分が康二の彼女って、しょっぴーが気付いてて、未成年やから危なくないように連れてってくれたんやと思ってた・・・みたいなことを言うねん」
「うん」
「俺もクラブなんか危ないから一人で行ったらあかんって言うてたから、この話がほんまやったら・・・まぁ、ええよってなるんやけど・・・」
そう言って康二が黙り込み、再び箸を進める。
「けど?・・・・どうした?」
続きを促すと康二は「ヒナ側からの立場で聞いたら、まぁ無理矢理納得できんこともないねんけど、しょっぴーがヒナって気付いてへんかったって事は、知らん女の子に声掛けた事になるやん?・・・・やっぱ、どう考えてもそれはないって思うねん」って言うから、俺も、そうだと思うって返す。
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山西 陽朔 - あなたのような才能ある方は、南無妙法蓮華経と唱えて仏となり幸せな人生を歩んでくださいね (2023年4月30日 17時) (レス) id: aaea05e353 (このIDを非表示/違反報告)
山西 陽朔 - あおさん、南無妙法蓮華経と唱えればあなたは仏になれます。 (2023年4月30日 17時) (レス) @page1 id: aaea05e353 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あお | 作成日時:2023年4月28日 11時