48 ページ48
・
すると彼女も思い当たる節があるのか「あー・・・うー・・。しょっぴーさん、ありがとう」って折れてくれた。
「あ。あと、ここのクラブ来たいなら、次から俺に言ってくれればVIP入れるから」って言うと「え、そんなん・・・大丈夫です」って断ってきたので「ここ、俺の知人のクラブだから。・・・今日みたいに結構良いダンサー来たりするしね。・・・勉強したかったらいつでも言って?・・・その方が康二も俺も安心だし」って返したら「・・・しょっぴーさんって、康二くんの言う通り、優しい人ですね?」ってヒナちゃんが背中で笑ってた。
外に出て、だいぶご立腹な康二が待っていて、康二の怒り具合はどんなもんかと思ったけど、背負われたヒナちゃんを見て「ヒナ?どうしたん?大丈夫?」って第一声が彼女への心配の言葉だったので、とりあえず安心した。
俺が入り口でたまたまヒナちゃんだとしらないで声を掛けた事、ヒナちゃんは俺に声掛けられたから安心して入った事、バーテンが勘違いしてアルコールを出してしまった事、康二の電話で彼女だと気付いた事を説明した。
俺が平謝りすると康二も怒るに怒れなくなっていて、ヒナちゃんは申し訳なさそうにしていた。
「いくら知り合いの店やからって、ナンパしたらあかんやろ?しかもそれがヒナやって・・・そんな偶然ある?・・・そんでヒナも俺に確認せんとついてったらあかん。しょっぴーなんか絶対ついてったらあかん」って、怒ってはないけどかなり文句は言われた。
「おいおい、俺なんかって・・・だいぶ棘ある言い方だなー」って言い返すと「あかんもんはあかん。・・こんな可愛いヒナに悪い事教えんといて」って俺に悪態つきながら、康二の背中に乗ってるヒナちゃんに「ヒナ、わかった?」って確認してる。
「康二くん・・心配かけてごめんな?・・でも、しょっぴーさん、康二くんの言う通り、優しい人やね?」ってヒナちゃんが言うと「・・・・今いらんこと言わんでええねん」って、少し恥ずかしそうに康二が返してて、一生やってろバカップルが!って思ったけど言わなかった。
案の定、康二の機嫌は次の日にちょっと文句言われただけで済んだ。
あの子、自分が溺愛されてるって気付いてないから、ちょっと困る。
ヒナちゃんの行動一つで、俺らにとばっちりが来るので、なるべく康二を刺激しないでいただきたい。
今日も現場が平和で良かった。
next・purple
83人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
山西 陽朔 - あなたのような才能ある方は、南無妙法蓮華経と唱えて仏となり幸せな人生を歩んでくださいね (2023年4月30日 17時) (レス) id: aaea05e353 (このIDを非表示/違反報告)
山西 陽朔 - あおさん、南無妙法蓮華経と唱えればあなたは仏になれます。 (2023年4月30日 17時) (レス) @page1 id: aaea05e353 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:あお | 作成日時:2023年4月28日 11時