47 ページ47
・
「はぁー・・・端っこでちょっと見たかっただけやのに・・・ほんま、しょっぴーさんが助けてくれへんかったら大変な事になってました・・・ありがとうございます」
少し下がり眉になりながら助けたお礼を言ってくれたけど、ヒナちゃんはかなり落ち込んでるようだった。
ふいにヒナちゃんの携帯が鳴って、ディスプレイの名前を確認すると、ヒナちゃんの口がへの字になる。
「・・・康二？」
「あ・・はい。・・・すいません、出ますね？」
そう言って電話に出ようとしたヒナちゃんから携帯を取り上げ通話ボタンを押す。
「あ、康二？着いた？」
「・・・着いた？ちゃうねん。なんでさっきからしょっぴーが電話に出んねん？」
「いやー・・・康二、本当にごめん。・・・この子、康二の彼女って気付かなくてナンパしちゃってさ。・・・とりあえず出るから、裏回ってて？」
俺の言葉にポカンとしてるヒナちゃんに、通話を終えた携帯を返す。
俺の顔を見たまま携帯を受け取り「・・え？・・・今の？」って聞くから「あぁ・・・とりあえずヒナちゃんは入り口で俺にナンパされて、ついてきたことにしとけば良いよ」って言って椅子に座ってるヒナちゃんの前で背向けてしゃがむ。
その動作にもヒナちゃんは「え？しょっぴーさん？」って聞いてくるから「足・・・くじいたでしょ？さっき歩き方おかしかったし」って返すと「・・・いやいやいや、大丈夫です。自分で歩けます」って言って急に立ち上がったけど、一瞬顔を歪めるヒナちゃんに「え？ダンサーなんでしょ？ここ階段だし、外出たら康二に抱っこしてもらって？」って言って、早く乗るように促すと「・・・・本当にすいません」ってヒナちゃんが乗ってきた。
階段の途中で「やっぱり嘘付きたくないんで、ちゃんと康二くんに言います」って後ろから聞こえて「・・・うん。嘘はつかない方がいいけど、多分本当の事言うと、一週間は機嫌悪いと思うのね？・・で、明日からほぼ毎日俺ら一緒なの。・・・ヒナちゃんには申し訳ないんだけど、俺らの為に一緒に嘘付いてくんない？」
そう言うと「でも、そんなん、しょっぴーさんが1人怒られる・・」って心配してくれたけど、問題はそこじゃない。
「俺に文句言ってるだけの方が早く機嫌直りやすいから。・・・それこそヒナちゃんが知らない男に何かされそうだったなんて知ったら、あいつ発狂すると思う・・・」って真面目なトーンで返した。
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 83人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
山西 陽朔 - あなたのような才能ある方は、南無妙法蓮華経と唱えて仏となり幸せな人生を歩んでくださいね (2023年4月30日 17時) (
レス) id: aaea05e353 (このIDを非表示/違反報告)
山西 陽朔 - あおさん、南無妙法蓮華経と唱えればあなたは仏になれます。 (2023年4月30日 17時) (レス) @page1 id: aaea05e353 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あお | 作成日時：2023年4月28日 11時
