巡り合う偶然の中の奇跡

23 ページ23

23.





康二くんは見た目通り優しい。っていうか甘いし９歳もの年の差を正直感じないくらい素直で可愛いらしい男の人。
それは男性特有の優しさじゃなく、人間的に優しくて可愛らしい。
そんな普段と違う、Snow Manの向井康二の生のパフォーマンスがどんなものか楽しみで仕方なかった。




Snow Manは９人もいて背丈もバラバラなのに、揃えるダンスは綺麗に揃っていて、魅せるダンスは９人それぞれの魅せ方で楽曲を彩っていて、ライブ中私もノリノリで踊っていた。

康二くんのダンスは、スタンダードが主軸だけど、手足が長いからスタンダードなのに線が柔らかく色っぽい。自分の良い魅せ方を知っていて、スマートで軽く見えるのに主軸がしっかりしている。私の好きなタイプのスタイル。

時々メンバーがこっち側に向かってファンサをくれるけど、関係者席エリアだから皆さん知り合いにファンサしているんだろうと思っていたら、ふっかさんがずっと私を指差している気がした。

誰のファンか特定されたくないのでペンライトだけ持って尚且つランダムに色を点けていたから私じゃないと思っていたけど、ビックリするくらい目が合うので思わず自分で自分を指差すと、ふっかさんが笑顔で頷いてきたので私をずっと指差していたと気付いた。
咄嗟に片手でハートを作るとふっかさんも作ってくれて、嬉しいけど誰かと間違えてるんじゃないかと疑問を感じながらニコニコしていたら、康二くんがふっかさんの肩をグーで殴ってた。
康二くんは特に何するでもないけど、周りにも満遍なくファンサをして、ここだけが特別にならないようにしていたけど関係者席を通る度にさりげなく立ち止まって手を振ってくれた。

アンコールも終わり退出しようとすると、再度隣の男性が「先程は失礼しました」そう言いながら名刺を渡してきた。




名刺には男性の名前と男性の会社名・・・劇団名が印字されていた。


人と人との巡り合わせは偶然のようで、時には必要な時に巡り合ったりする。
でもそれは、自分で自分の人生を選んで生きている人にしか巡ってこない。
自分のなりたい人生を一所懸命考えて選んでいると、選んだ先は自分の選んだ場所。
そこで巡り合う人は、自分の選んだ道にいる人達。

それは私の先生がプロダンサーを目指した時に体験した事。


私は自分で選んだ自分の人生を信じたい。
正解じゃなくていい。
一度だけの私を選びたい。

あの時、巡り巡って康二くんに出会えたことを神様に感謝したい。



・

24→←22

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す