僕の描く未来 (ページ7)

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帰宅してからポケットに仕舞ったままだった携帯を取り出すと、不在着信と未読のメールが何件も入ってた。

メールの内容は、まだ別れたくないといった趣旨の内容で、ちゃんとゆっくり話したいから電話に出て欲しいと綴られていた。

文章を見ながら小さく溜息が出て、何気に透子とのトーク画面を遡るけど、俺の返事の圧倒的な少なさに反比例するように透子の返事の多さと量に、今更ながら気持ちの大きさの違いのようなものを感じた。

ほぼ一方的に突きつけた別れ話だったから納得いってないだろうなってのはわかってたけど、気持ちはもう変わらない。
もう付き合いを続けないのに良い人で終わるのは余計拗らせる事は今までの別れ方で学んだから、もう透子に気がない事をはっきり伝えて嫌な印象で別れるのが一番引きずらない方法だと思う。

もう好きでもなんでもないから付き合いたくない。
自分勝手でごめん。
連絡先全部消します。

俺のメールに既読が付いたのを確認してから透子の連絡先やSNSのアカウントを全部消去した。

好きだと思ったから付き合ったはずなのに、透子のどこが好きだったのか思い出せないのって、結局好きじゃなかったんかな。
友達の紹介で知り合った透子を良いなって思ってたのは嘘じゃないし、好意をわかりやすく寄せてくれた透子を可愛いなとも思ったから、透子から付き合って欲しいって言われた時は普通に嬉しかった。

だけどなんだろう。
せっかく自分を選んでくれたのにそれに満足してしまうんだろうか。
彼女になった途端それ以上相手の事を知る気にならなくなる。

気持ちは一緒なんだから必要以上に無理して会ったりする事が面倒になるし、おはようから始まってお休みまで続く連絡も必要性を感じなくなる。

嫌いになったわけでもないし冷めたわけでもないのに、そんな俺の態度が毎回付き合う彼女を不安にさせている事はわかるんだけど、それを挽回しようって気にもならない。
そのうち愛の比率が重くなっていって息苦しくなって、もういいやってなる。

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