僕の描く未来 (ページ3)

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もうこんな恋愛を何回繰り返したかな。
恋愛ってただ疲れるだけで何のメリットもない行為だなって、薄々思ってたけど、自分じゃない他人の勝手な期待に応えないといけないだけで俺の事を本当に考えてくれてる人なんていないんだなって、付き合った彼女の数が増えるだけガッカリしてきた。

もう誰かと付き合うのはやめよう。

別れる度にそう思うのに、今度こそはって、つい俺も期待してたんだよな。
そもそも最初から本気じゃない俺にも責任はあるし、きっと相手もこんな俺でガッカリしてきたんだろうな。

透子に一つだけ言いたいのは、既読つけて返事しないのって、無視してるとか嫌いになったからじゃないんだよ？
透子の綴る俺への重すぎるくらいの愛の言葉に、なんて返して良いかわからなかったんだよ。

だからメールは得意じゃないから細かく返せないって言ったんだ。

そんな風に思ってた事も、結局は口に出さないと透子に伝わらないんだけどね。

透子のいくつかに分けられた長文の文章を最後まで流し読みしてズボンのポケットに突っ込んだ時、休憩室のドアが開いて新人の彼女が入ってきた。

「お疲れ様。・・・初日やし疲れたやろ？」
彼女に声を掛けながらカーディガンを羽織ると「はい・・ちょっと緊張しました。・・もう上りですか？」とタイムカードを押しながら彼女が問いかけてきた。

「あぁ、うん。・・・長本さんも上がり？」
「はい。・・・あの、早く慣れるよう頑張るんでこれからよろしくお願いします」

ペコっと軽く頭を下げて挨拶をする彼女が初々しくてちょっと可愛かった。

「そんな気合い入れて頑張るようなバイトでもないで？・・こちらこそよろしく」

笑いながらそう言うと彼女も笑顔を見せてくれて、なんとなくそのまま一緒に店を出た。

店を出るまでの雑談で長本さんは俺の２歳年下の大学一回生で一人暮らし。
どこに住んでるか聞くと最寄り駅が一緒だった。

「あー、ほな一緒に帰ろか。・・・あ、まだ初対面やし気まずかったらごめん」
「いえ、大丈夫です。・・・西村さんバイト中もめちゃ気使ってくださってたんで・・優しい人やなって」

そんな他愛ない話をして店の裏口を出ると透子が立ってて、まあまあビックリした。

「どうしたん？・・・俺待ち？」
「・・・・さっきメールで待ってるって送ったやん？既読付いてたから見てたんちゃうの？」

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