僕の描く未来 (ページ19)

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渚ちゃんが目を開くと拓哉くんは嬉しそうな顔で渚ちゃんを見つめてて、その表情に渚ちゃんも嬉しくなって微笑むと、渚ちゃんの頬を優しく撫でながら「好きやで？・・・・・彗」って、自分じゃない他の人の名前を呼ぶ拓哉くんの言葉に渚ちゃんは固まった。

そのまま拓哉くんは嬉しそうな顔をしたまま睡魔が襲ってきたのか、渚ちゃんを抱きしめたまま寝てしまった。

渚ちゃんの隣で目を覚ました拓哉くんは何にも覚えてなく平謝りで、拓哉くんを好きだった渚ちゃんは本当はかなり傷ついてたけど、行為の最中に他の女の名前を呼ばれた屈辱感と悔しさで怒りながら拓哉くんを家から追い出した。らしい。

「・・・・・・・・・・え？あんまり意味がわかんないんだけど？・・・何で私の名前が出てくるの？」

真佑の話を聞いても疑問しか返せない私の返事に「だから、皆の知らない所で彗と拓哉くんが付き合ってるんじゃないかって。・・・・でも、その反応は・・・まぁ、そうだよね・・・。彗と拓哉くんってあんまシフト被ってないし、２人が特別仲良いとかも聞かなかったからさ？・・・・まぁ、渚ちゃんからしたら２人がどういう関係であれ、良い感じの所に他の女の名前呼ばれたら・・・・ね？」なんて同意を求められても何て返せば良いのか返事に困る。

今日シフトインする時渚ちゃんに声を掛けたら、いつもの明るいトーンじゃなかったから気にはなってたけど、まさかそんな事があったなんて知らなかったし、なんなら私のせいじゃないのに私と渚ちゃんが気まずい思いするのもモヤモヤした。

「・・・とりあえず・・・・拓哉くんとは付き合っても無ければ好きなんて言われた事もないよ・・・」
「・・・・でも彗・・・拓哉くんの事・・・気になってるんでしょ？」

同じ時期にバイトを始めた真佑は同い年でシフトも被ることが多いから一番仲良くなって、プライベートな話もよくする仲だから、拓哉くんと仲良くなりたかった私は真佑にシフトを変わってもらったりして協力してくれてた。

昨日キスされた事も、本当は今日真佑に聞いて欲しかったんだけど、渚ちゃんの話の後だとややこしくなりそうだし言いにくいし、拓哉くんの行動に少しガッカリしてたから「んー・・・・気になってたけど・・わかんなくなっちゃった」なんて言って、自分の気持ちを濁した。

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