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次の日拓哉くんから謝罪の連絡が来たけど、その内容に溜息が出た。
キスした事は覚えてるけど酔っぱらい過ぎて記憶が曖昧だから失礼な事してたらごめんなさいって感じの内容を見て、沸々とやるせなさが込み上げる。
拓哉くんにとっては酔っぱらった流れのノリでキスしてきたんだろうけど、私にとっては初めてのキスだった。
・・・好きな人とのキスだったけど相手は私への気持なんか無くて虚しさで泣きたくなる。
気にしてないです。覚えてないなら無かった事にしましょう。
そう返すと数秒で既読が付いたけど、その後拓哉くんから返事が来る事はなかった。
無かった事にしようって言ったのは私だけど、その後何も言って来ないのも、なんだかなぁとガッカリした。
どうやら私は恋愛フィルター越しに拓哉くんを見ていて、拓哉くんが良い人なんだって勝手に思い込んでたんだなって、昨日の拓哉くんの行動や謝罪メールに正直残念な男だと思わずにはいられなかった。
これで嫌いになれたら済むんだけど、残念な男であっても思ってたのと違っても気になってしまう。
これが恋って事なんだなって、自己分析しながら胸が痛かった。
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「彗って拓哉くんと付き合ってんの?」
突然身に覚えのない質問をしてきた真佑に心底驚いた顔で「・・・え？何それ？」としか返せない。
一体どこからそんな質問が出てくるんだろうって疑問しかなくて、ただただ真佑を凝視してると「いや・・・・そんな顔されても。・・・・さっき渚ちゃんが言ってたんだけど・・・・」
苦笑いで話す真佑の、ついさっきの渚ちゃんの話に私の頭は？？でいっぱいになる。
昨日居酒屋から出て、皆それぞれ解散していく中で、酔い潰れた拓哉くんとタクシーで帰った渚ちゃんは拓哉くんをお持ち帰りした。
自分の部屋に拓哉くんを連れて帰ってベッドに傾れ込んだ２人はお酒の勢いのままお店でのキスの続きを始めた。
深くなる口付けに応えるように覆い被さってる拓哉くんの後頭部に両手を回すと拓哉くんの動きが急に止まって唇がそっと離れた。
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作者名：あお | 作成日時：2024年2月21日 16時
