僕の描く未来 (ページ14)

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あまりにも流れるように自然に唇を重ねた拓哉くんに相手の女の子も一瞬何されたかわかってないような表情をしていて、でも、唇が離れた後に見つめ合う女の子の顔は嬉しそうな恥ずかしそうな表情を覗かせた。

一番端の隅っこの席でキスする２人に周りはワイワイ騒がしく気付いてなくて、現に私の隣の男の子は何にも気付かず私に楽しそうに話し続けてくれてて、私はその話に適当な相槌を打ちながら目の前で起きた出来事にめちゃくちゃ胸が詰まるような感覚になった。

まるで何もなかったかのようにキスした子と話を続ける拓哉くんがチラッと横目で私を見るその視線が私を捉えていて気付いた。

私が見てるのわかっててキスしたんだって。

そう感じたけど、だからって何をどうしていいかもわからなくてとりあえず席を立ってこの場を離れた。

私が好意を持っている事を拓哉くんは気付いてて、この間久しぶりにバイトが一緒になった帰り道に、俺の事好きにならないでねっていうようなニュアンスの事を言われた。

はっきり言われたわけでもないし、私自身も好意を伝えたわけじゃないけど、当分彼女は要らないみたいな事を言って私を牽制してたのに、目の前で私に見せつけるように他の子とキスする心情が理解できなかった。

全部考えすぎだと思うけど、拓哉くんは初めて会った時からどこか私にぎこちない態度だった。
他のバイトの子と同じようで何かの壁を感じる様な、そんな態度で接してくる拓哉くんが気になって仕方なかった。

一週間ごとに出すシフトは空いてる所に勝手に名前を入れていくシステムだけど、拓哉くんはいつも最後の方に記入していて、誰かが「拓哉っていつもシフト最初に入りたいとこに入ってたのに」って言っているのを聞いた時、そういえば私が記入する時いつも拓哉くんの名前がない事に気付いた。
そうしてバイトが被る事がなく居ても立っても居られなくなったあの日、仲良くなった真佑にシフトを変わってもらったけど、久しぶりに会った拓哉くんは他の子に接するのと同じような感じで私にも接して来て、なんとなく避けられてるのかと思ってた私はどこかホッとしたのに、一緒に帰った帰り道でやっぱり他の人と違って距離を取られてるって感じた。

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