僕の描く未来 (ページ13)

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2.

初めて会った時、この人モテるんだろうなって思った。

顔が良いのもそうだけど、相手が不愉快にならない受け答えだったり、相手の雰囲気や返答で空気を読み取るのが上手い人なんだなって、バイト初出勤帰りの駅のホームでそんな事を思った。

彼氏いない歴イコール年齢の私は今まで気になる人はできてもそれ以上に発展できなかった恋愛初心者で、芸能人の様な端麗な容姿と、彼に持った第一印象で簡単に彼に好意を持つようになった。

数回バイトのシフトが一緒になっていろんな話をするけど一つ気になる事があった。
彼は人と話す時割と相手の顔を見て話すタイプだと思っていたのに、私と話す時は私を見てるようで微妙に視線を逸らしていた。

何か気に障るような事したかなと考えるけど思い当たる節もないし、視線は逸らされるけど他の人と何ら変わりない雰囲気だから嫌われてるようにも見えなくて、これは一体どういう状況なんだろうと考えるものの彼氏もできた事無い私にはだいぶハードルが高く男心とやらがさっぱりわからなかった。

そんな事を考えるけど、それは私が勝手に好意を持っていて、彼の行動一つ一つにいちいち意味を見出そうとしてるにすぎなくて、本当は彼は私に対して特に何も考えてないのかもしれない。

ただの痛い女だ。

彼に特別何か言われたとかされたとか何にもないのに、何でこんなに彼が気になるのかって考えた所ではっきりした理由なんてない。
強いて言えば顔が好みだったのかもしれないし、出逢った日に彼女と別れるなんていう普段見られない場面に遭遇してなんとなく彼との共有の出来事を特別に感じたのかもしれないけど、私の中で確実に特別な立ち位置に彼は居た。

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夏休みに入ってバイト仲間数人で行った居酒屋で良い感じに皆酔ってしまった頃、ふと目の前の席に座ってた彼とバイト仲間の女の子がふざけてキスをした。
酔ったノリなんだろうけどそういった経験のない私からしたら凄く衝撃的で、しかもそれが好意を寄せていた拓哉くんなわけだから単純にショックだった。

数分前から目の前で肩が触れそうなくらい近い距離で話してる２人を、私も隣の人と他愛ない話をしながら気付かれないように横目で見ていると段々二人の空気が甘い感じになっていって、耳打ちする仕草を見せた拓哉くんが内緒話をせず女の子の唇に自分の唇を重ねてた。

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