僕の描く未来 (ページ12)

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チラッと長もっちゃんの顔を見ると、ちょっと恥ずかしそうな、明らか俺に好意があるんですって顔をしていて、今まで何人もの女の子のその雰囲気の顔を見てきた俺は、途端にアホらしくなって「あ、俺、そんな風に見える？・・・俺の事好きっていう女って、最初に絶対全員同じ事言うねん。・・・・今長もっちゃんが言うてくれた俺像」

思いっきり皮肉を込めた言い方をすると、長もっちゃんの顔がみるみる固くなった。

そんな彼女の表情を薄ら笑いで見つめながら「でも・・・まだ俺と長もっちゃんって全然お互いの事知らんし・・・長もっちゃんが俺の事好きなわけないもんな？・・・最近付き合うのとか懲り懲りで、ちょっと言い方悪くなってごめんな？」って、謝りながら薄ら笑いを得意の優しいイケメン笑顔に変化させると、長もっちゃんは慌てて両手を左右に振りながら「あ・・・いえ、思った事言っただけなんですけど、拓哉くんの気に障ってたならごめんなさい・・・。でも、私は本当に・・・周りに気使う優しい人だなって・・思ってるんで」なんて、健気に俺の皮肉をフォローしてくれた。

わざと傷つくような言い方したのに俺の事を優しい人だなんて言う長もっちゃんに益々苛立ったけど、一体何にそんな苛立ってしまったんだろう。
長もっちゃんもきっと今まで俺を好きになった人と何ら変わりない感情を持ってくれただけに過ぎないのに、今までの誰よりもムカついた。

俺だって全然長もっちゃんの事なんて知らないのに、俺の事好きにならないで欲しいって思って牽制したくせに、結局他の女と同じような印象しか持ってくれなかった事にもガッカリした。

好きにならないで欲しいって、どんだけ自意識過剰なんだって話なんだけど、今まで俺の事好きになってくれた女と同じような雰囲気出してきてんだからいい加減わかる。

割と最初の方からバイト中の視線や話し方の雰囲気で、俺の事好意的に思ってるなって感じてたし、今日のシフトチェンジも長もっちゃんは代わってってお願いされたと言ってたけど、代わったその子にシフトイン前に送ったメールの返事は、彗ちゃんに代わってってお願いされたって返ってきたから今日バイトが一緒になったのは偶然じゃなくて意図的なもの。

長もっちゃんと彗ちゃんは名前が同じなだけで、見た目も中身も俺が相手に持つ感情も何もかも違うのに、結局彗って名前に勝手に期待していたのは誰でもない俺自身だった。

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