僕の描く未来 (ページ11)

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本当に聞いてどんな返事待ってたん？って突っ込みの通りなんだけど、長もっちゃんの表情が、なんか聞いて欲しそうな表情に見えてしまったから、ついいつもの癖で話を広げてしまう。

表向きの俺って、人とコミュニケーション取りやすい気さくな性格に見られてて、それはきっと見た目の人懐っこさとかイケメン顔だとか、有難い事に生まれ持った高スペックが勝手にそう思わせる。

本当の俺はそこまで陽キャでもないんだけど、人から見られる自分を知らない間に作ってしまってて、ついそれに合わせて表向きの西村拓哉を演じてる。

・・・演じてるって言うと語弊があるし、別に無理してるわけじゃないけど、自然とそういう行動しちゃってて、でも心のどこかがいつも俺自身に突っ込みを入れる。

そしてそんな俺を俺の全てだと思った人がそこだけを見て好きになる。
後から出てくる他の俺を見て否定して結局終わる。

今もきっと長もっちゃんの目にはフワフワした緩い顔してる俺が映ってて、そんな俺がこんな事考えてるなんて微塵にも思わないだろう。
だけど、相手が何考えてるかわかんないのって俺だけじゃない。

少し影のできた憂い気味の表情で俺を見てる長もっちゃんだって、そんな顔してるけどもしかしたら今日家帰って何食べようとか考えてるかもしれないわけだし。

「・・・・拓哉くんってモテますよね？」

さっきまでの話流れをぶった切って長もっちゃんが話を変えるけど、変わったその話は俺のあまり好きな感じじゃない話の導入で少しガッカリする。

「・・・・モテるで？・・・何で？」

俺は普通にモテるから謙遜もしないけど、この手の質問はもう聞き飽きていて、結局長もっちゃんもその辺の女と同じかって、急に冷める。

俺の返事を聞いた長もっちゃんは一瞬目を丸くしたけど「拓哉くんって話しやすい雰囲気作ってくれるし、相手が嫌に気分にならない答え方・・・いつもしてて。・・・皆から好かれるのわかります」なんて、今まさに俺が頭で考えてた作られた俺の説明をわざわざしてくれた。

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