明日の君に、僕ができる小さなこと (ページ10)

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夏休みに入る少し前、高校時代よく遊んでたメンバーで遊びに行こうって話が出た。
斗亜の抜けたグループメールで流れてくる詳細をスクロールしていると、グループの一人が斗亜も誘ってって拓哉に聞いていて、拓哉も聞いてみるって返事をしてた。

斗亜の抜けたグループメールに斗亜の名前が出ただけで動揺して胸がギュって締まるような感じがした。

斗亜と私の間に何かあった事くらい本当はみんな気付いてる。

あれだけ斗亜と毎日一緒に居た私は卒業してから斗亜の名前を一度も出さない。
卒業旅行に行ったメンバーも、あの時の私と斗亜の距離感が変わってる事に気付いていたし、誰にも言わず大学変更して、SNSのアカウントもメールのアカウントも気付けば消していた。

入学当初に拓哉が、携帯の調子が悪いらしいなんて言ってたけど恐らく斗亜は携帯を新しいものに変えていて、拓哉以外に教えてないのはなんとなくみんなわかってた。

仲の良かったグループなのに、みんな遠慮してか気遣ってか斗亜の話を私の前でしなくなったし、何も聞いてこなかった。。
みんななんとなく私と斗亜は付き合ってないけど両想いなんだろうなって思ってたから、斗亜が卒業式の後に彼女を連れてきた時驚いていた。

麻美が振られた？二股だった？両想いって思ってたけど違った？
きっとそんな感じの事をみんなが思ってたと思う。
私も斗亜も何も言わないから、本当の事を知る事ができない事もみんなに気を使わせた。

私が居るから斗亜がみんなと疎遠になってしまったのを申し訳なく思ってたから、他の子が斗亜を誘いたいって言いだしてくれた事が嬉しかった。
それでも私が居たらもしかしたら斗亜は来ないかもしれないなって思ってたら、個別にグループの子から「麻美、斗亜に遠慮して行かへんとか言わんときや？」って連絡が来た。
なんかそれ見た時胸がいっぱいで鼻がツンって痛かった。

みんな言わないけど気にしてくれてた優しさと申し訳ないのと、いろんな感情が込み上げた。

結局斗亜は予定があるからと言って来なかったけど。
きっとあの年上の彼女と仲良く居るんだろうなって、そう思うとやっぱりまだ胸が痛かった。

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