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「謝って欲しいなんて・・・思った事ないで？・・・・・振られたのにずっと好きやったんは私やし、友達にも戻れへんのが嫌やったから今まで通りにしてって・・・・私が言った事、斗亜は聞いてくれただけやん。・・・・・彼女居て、私の事好きちゃうのに優しくしてくれてただけやろ？・・・・やし、斗亜がそんなずっと罪悪感持つ必要ないやん・・・」
私も斗亜の顔が見れずに手元のカフェオレに視線を向けたまま、淡々と言葉を吐き出すけど言いながら妙に冷静で、口に出した言葉に嘘は無いけど何か上っ面な言葉だなって私の中の私がそう感じてた。
「うん。・・・・そうなんかもしれんけど、麻美の為に優しくしてたんちゃうから。・・・自分の為に麻美の気持ち利用してた」
「・・・・どういう事？」
彼女と別れて私と付き合おうと思った事。
それは彼女よりも私が好きだからじゃなくて、相手が私だったら自分と向き合わなくても今のままの自分で付き合えると思ったから。
自分を好いてくれる私が隣に居る事で、彼女といる時の器の小さい自分に落ち込まなくて済んだ事。
彼女に全部打ち明けて、私が必要なくなったから私を切った事。
「・・・・・ほんまの俺知って、どう思う？」
聞かされたあの頃の斗亜の心の中は、何も知らずにいたあの頃の私が聞いたらショックだっただろうなって、変に他人事のように聞こえた。
斗亜の中の事実はそうかもしれないし本当の事なんだとは思うけど、斗亜の中の斗亜も、私の中の斗亜も、どの斗亜も斗亜だから。
「なんで斗亜はわざと自分の事悪く言うん？」
そう聞く私に少し眉間に皺を寄せる斗亜が「わざとってか・・・ほんまの事やし。・・麻美は俺の良いとこだけ見てたから、なんかそれも・・・・騙してたみたいに思って」って、首を掻きながら言うけど「良いとこだけ・・見せてくれてたんやろ？・・・斗亜のほんまの気持ちが今言った通りやったとしても、私はそんな風に感じた事無かった。・・・・私がそう思わんようにしてたんやろ？・・・斗亜の事好きって言う私にも・・・彼女さんみたいに格好悪いとこ・・・見せへんようにしてくれてたんやろ？」
私の事、傷つけたくないから優しくしてくれてたのに、結局それで斗亜がずっと気にしてる方が嫌や。
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作者名：あお | 作成日時：2024年2月5日 16時
